日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

第68世日如上人猊下御指南

2008-10-11 | 日如上人御指南

 

 

 平成20年10月度 広布唱題会の砌

於 総本山客殿

(大日蓮 平成20年11月号 第753号 転載)


 本日は、総本山における十月度の広布唱題会に当たり、支部総登山の方々を含め多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 本年「躍進の年」もいよいよ十月に入り、残り三月となりましたが、皆様には日夜、誓願達成へ向けて御精進のことと存じます。
 前回、本年度「プレ大会」以降の全国各支部の折伏達成状況について少々、お話を申し上げましたが、その後も全国的に折伏の輪が広がり、既に誓願を達成した支部も増え、各支部ともに僧俗一致、異体同心の団結をもって折伏に真剣に取り組んでおられることは、まことに喜ばしいかぎりであります。
 さて、今月は御承知のとおり大聖人様が出世の御姿である本門戒壇の大御本尊を御建立あそばされた月であります。すなわち、弘安二年十月一日の『聖人御難事』に、
「此の法門申しはじめて今に二十七年、弘安二年太歳己卯なり。仏は四十余年、天台大師は三十余年、伝教大師は二十余年に、出世の本懐を遂げ給ふ。其の中の大難申す計りなし。先々に申すがごとし。余は二十七年なり」(御書1396㌻)
と仰せられている如く、大聖人様は弘安二年十月に至りまして、四条金吾等の檀越に対し、今こそ出世の本懐である本門戒壇の大御本尊を建立あそばされる時であることを内示され、熱原法難のさなか、弘安二年十月十二日に出世の御本懐として本門戒壇の大御本尊を御建立あそばされたのであります。
 熱原の法難は、当時はいまだ身分的にも低く、しかも入信間もない神四郎等の富士熱原の農民が、身命に及ぶ大難に値いながらも「死身弘法」の御聖訓を奉戴し、命を賭して正法護持を貫き通された不屈の信心を大聖人様は御覧あそばされ、末法本因下種の妙法の究極の法体を御建立あそばされる時機がいよいよ到来したことを深く御感あそばされ、ここに本門戒壇の大御本尊を御建立あそばされるに至ったのであります。まさしく、この御本尊こそ、『観心本尊抄』に、
「此の時地涌千界出現して、本門の釈尊を脇士と為す一閻浮提第一の本尊、此の国に立つべし」(同661㌻)
と仰せられた一閻浮提総与の本尊にして、閻浮第一の御本尊であります。
 今、この御文を拝するに、この文中に「地涌千界」と仰せられ、また「本門の釈尊を脇士と為す」仏様とは、いかなる仏様であられるのかと申せば、「本門の釈尊を脇士と為す」とのお言葉から拝して、それは本果脱益の釈尊ではないことは明らかであります。
 まさしく、大聖人様がこの御文のなかで「地涌千界」と仰せられた仏様こそ、久遠元初の妙法を御所持あそばされる人即法、法即人の仏様、すなわち内証久遠元初の御本仏、末法御出現の宗祖日蓮大聖人様御自身のことなのであります。
 したがって、久遠元初の御本仏がこの末法に御出現あそばされて御建立あそばされる御本尊なるが故に、まさしく「一閻浮提第一の本尊」なのであります。
 総本山第二十六世日寛上人は『観心本尊抄文段』のなかで、
「弘安二年の本門戒壇の御本尊は、究竟の中の究竟、本懐の中の本懐なり。既に是れ三大秘法の随一なり、況んや一閻浮提総体の本尊なる故なり」(日寛上人御書文段197㌻)と仰せられ、本門戒壇の大御本尊こそ究竟中の究竟、本懐中の本懐の御本尊であると仰せあそばされているのであります。
 また、この大御本尊の功徳について同抄には、
「此の本尊の功徳、無量無辺にして広大深遠の妙用有り。故に暫くも此の本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、則ち祈りとして叶わざる無く、罪として滅せざる無く、福として来たらざる無く、理として顕われざる無きなり。妙楽の所謂『正境に縁すれば功徳猶多し』とは是れなり。此れ則ち蓮祖出世の本懐、本門三大秘法の随一、末法下種の正体、行人所修の明鏡なり」(同189㌻)
と仰せであります。
 この日寛上人の御指南の如く、無疑曰信の信心に立ち、ひたすらこの本門戒壇の大御本尊様のもとに強盛に自行化他の信心に励むとき、必ずや我々は転迷開悟の大功徳を納受することができるのであります。
 一方、他に目を転ずれば、今日、日本乃至世界の状況は、悪世末法の世相そのままに、多くの人々は混乱と苦悩と不幸にあえぎ、先の見えない生活に不安を感じ、けっして安閑としていられる状態でないことは、皆様方も重々御承知のとおりであります。
 こうした混乱と苦悩を招いている最大の原因は何かと言えば、既に大聖人様が『立正安国論』にお示しの如く、実に謗法の害毒によるものであり、この謗法を捨てて大聖人の正法正義に帰するとき、初めて真の幸せを築くことができるのであります。
 すなわち、今日、末法の一切衆生救済の秘法は、唯一、三大秘法の随一、本門戒壇の大御本尊のほかなく、一人でも多くの人がこの戒壇の大御本尊様に帰依し、妙法の広大無辺なる功徳に浴し、一人ひとりが煩悩・業・苦の三道を法身・般若・解脱の三徳と転じ、幸せになっていくことを心から願い、この願いを実践に移し、大聖人の御意のままに一天広布を目指して闘いきっていくのが、我ら本宗僧俗の大事な使命であり、責任であります。 特に、末法の衆生は本未有善の衆生でありますから、自分から法を求めて尋ねてくるようなことはほとんどありません。折伏は当方から積極的に打って出るということがまことに肝要であります。
 大聖人様は『南部六郎殿御書』に、
「眠れる師子に手を付けざれば瞋らず、流れにさをゝ立てざれば浪立たず、謗法を呵責せざれば留難なし。『若し善比丘あって法を壊る者を見て置いて呵責せずんば』の置の字ををそれずんば今は吉し、後を御らんぜよ、無間地獄は疑ひ無し」
(御書463㌻)
と仰せであります。この大事な御文の御意を拝するとき、我らはいかなる障魔も恐れることなく、敢然として折伏に打って出ることが、御命題達成の大事な要件であることを知るべきであります。
 たしかに、この御文にお示しのように、何もしなければ留難もなく平穏であるかも知れません。しかし、それでは尊い一生を空しく過ごすだけであり、大聖人様のお心に反することになってしまうのであります。御本仏大聖人様のお心に反しては、功徳を受けることはできません。
 『持妙法華問答抄』には、
「されば持たるゝ法だに第一ならば、持つ人随って第一なるべし」(同298㌻)
と仰せであります。一閻浮提第一の御本尊を持ち奉る者、必ず一閻浮提第一の幸せを勝ち取ることができるのであります。
 しかも、その広大無辺なる功徳を自分一人が独占するのではなく、謗法の害毒によって不幸にあえぐ人達にこの大御本尊の偉大なる功徳を伝え、共に信心に励み、幸せを築いていくことが大事なのであります。
 大聖人は、
「生死の大海を渡らんことは、妙法蓮華経の船にあらずんばかなふべからず」(同1555㌻)
と仰せであります。
 どうぞ、皆様にはこの御金言を拝信し、本年残り三月、「為せば成る」との確固たる信念を持って、誓願達成へ向けて御精進いただきたいことを心から願い、本日の挨拶といたします。

 

 

一、各講中ともに、本年度に立てた折伏誓願は必ず達成すること
ニ、全国四ヵ所で開催する「地涌倍増大結集推進決起大会」を完全勝利すること

 

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