日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

第68世日如上人猊下御指南

2009-04-11 | 日如上人御指南

 

 

七百五十億遍唱題行(4月1日)の砌

於 総本山客殿

(大日蓮 平成21年5月号 第759号 転載)

 皆さん、おはようございます。いよいよ本日から百日間の唱題行が始まります。
 この唱題行は、御命題の「大結集」と「地涌倍増」達成のために行われるものであります。
 具体的に申し上げますると、7月15・16日の「記念大法要」、そして7月26日の「7万5千名大結集総会」、そして今、行われております「記念総登山」の達成、さらに地涌倍増の達成のためであります。
 これは、平成6年に六百億遍の唱題行をいたしましたが、その六百億遍の唱題行にならって今回、七百五十億遍の唱題行を実施することになったのであります。すなわち、法華講員15万人が一人、一日五千遍の唱題行を百日間行い、合計七百五十億遍の唱題行を完遂したいと思う次第であります。
 この唱題の功徳については重々御承知のことと思いますが、日顕上人猊下は、
「一切を開く鍵は唱題行にある」(大日蓮・平成11年1月号 5㌻)
と仰せであります。
 先程、申し上げました目標を達成するためにも、また私どもの普段の生活の上においても、この唱題行をしっかり行うことが根本であります。
 御承知のとおり、三大秘法は本門の本尊と戒壇と題目でありますが、六大秘法に開けば、本門の本尊は人と法になります。そして本門の戒壇は義と事であり、本門の題目は信と行であります。
 この本門の題目に信と行があるということは、唱題という修行がいかに大切であるかということを示されているのではないかと思います。つまり、信仰は観念ではなく実践であり、行動であります。したがって、百日間の唱題行を行うというところに大きな功徳があるのでありまして、このことを日顕上人は「一切を開く鍵は唱題行にある」と、このように仰せられたものと拝する次第であります。
 皆様方には百日間、しっかりとお題目を唱えて、記念大法要、七万五千名大結集総会、記念総登山、そして地涌倍増を達成されますことを心からお祈りいたしまして、本日の挨拶といたします。

 

平成21年4月度 広布唱題会の砌

於 総本山客殿

(大日蓮 平成21年5月号 第759号 転載)

 

 皆さん、おはようございます。
 本日は、四月度の広布唱題会に当たりまして、皆様方には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 皆様方には、いよいよ本年、『立正安国論』正義顕揚七百五十年の大佳節を迎え、御命題の「地涌倍増」と「大結集」の達成へ向けて、僧俗一致・異体同心・一致団結して御精進のことと存じます。
 御承知のように『立正安国論』は、大聖人が日本国の上下万民が謗法の重科によって、天変、地夭、飢饉、疫癘ならびに自界叛逆、他国侵逼難等の重苦に責められ、未来には無間大城に堕ちて阿鼻の炎にむせぶことを悲嘆せられて、末法の御本仏としての大慈大悲をもって、北条時頼ならびに万民をお諌めあそばされたところの折伏諌暁書であります。
 この『立正安国論』は、初めに正嘉元(一二五七)年八月二十三日の大地震をはじめ、近年より近日に至るまで頻発する天変、地夭、飢饉、疫癘等の惨状を見て、その原因は世の中の人々が皆、正法に背き、悪法を信じていることにより、国土万民を守護すべきところの諸天善神が去って、悪鬼・魔神が便りを得て住みついているためであるとし、金光明経あるいは大集経等を引かれて、正法を信ぜず、謗法を犯すことによって三災七難等の災難が起こると、経証を挙げてその理由を述べられ、これら不幸と混乱と苦悩を招いている一凶はひとえに法然の念仏であると断ぜられ、この一凶を断ち、謗法を対治して正善の妙法を立つる時、国中に並び起きるところの三災七難等の災難は消えうせ、積み重なる国家の危機も消滅して、安寧にして盤石なる仏国土を出現することができると仰せられ、しかし、もし正法に帰依しなければ、七難のうち、まだ起きていない自界叛逆難と他国侵逼難の二難が競い起こると予言され、速やかに「実乗の一善」に帰するように結んでおられます。
 そして、この『立正安国論』は、対告衆は時の最高権力者・北条時頼でありますが、実には一切衆生に与えられた諌言書でもあります。
 また、御文のなかで、
「如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには」(御書241㌻)
と仰せられているように、一往は専ら法然の謗法を破折しておりますが、再往元意の辺は広く諸宗を破折しておられるのであります。
 また、「立正」の「正」とは、下種の本尊とその三大秘法がその正体であります。また、「安国」の「国」とは、一往は日本国を指すも、再往は全世界、一閻浮提を指しているのであります。
 つまり、立正とは末法万年の閻を照らし弘通するところの本門の本尊と題目と戒壇の三大秘法を立つることであり、安国すなわち正法治国・国土安穏のためには、この本門の本尊と題目と戒壇の三大秘法の正法を立つることこそ、最も肝要であると仰せあそばされているのであります。
 よって『安国論』には、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし」(同250㌻)
と仰せられているのであります。
 「実乗の一善に帰せよ」とは、その元意はまさしく三大秘法の随一・本門の本尊に帰依せよと仰せられているのであります。
 したがって、『当体義抄』を拝しますと、
「正直に方便を捨て但法華経を信じ、南無妙法蓮華経と唱ふる人は、煩悩・業・苦の三道、法身・般若・解脱の三徳と転じて、三観・三諦即一心に顕はれ、其の人の所住の処は常寂光土なり。能居・所居・身土・色心・倶体倶用の無作三身、本門寿量の当体蓮華の仏とは、日蓮が弟子檀那等の中の事なり」(同694㌻)
と仰せであります。
 御文中、「其の人の所住の処は常寂光土なり」との御文について総本山第二十六世日寛上人は『当体義抄文段』のなかにおきまして、
「此の下は依正不二を明かすなり。『其の人』とは即ら是れ三道即三徳の妙人、是れ正報なり。『所作の処』等とは依報なり。中に於て『所住之処』の四字は依報の中の因なり。『常寂光土』の四字は依報の中の果なり。当に知るべし、依正不二なる故に、依報の因果も亦是れ倶時なり。是れ正報の因果倶時なるに由る故なり。当に知るべし、依正の因果は悉く是れ蓮華の法なり」(御書文段622㌻)
と、このように御指南をあそばされております。
 すなわち、依正不二の原理によって、実乗の一善たる三大秘法の随一・本門の本尊に帰依すれば、その不可思議広大無辺なる功徳によって、その人の所住の処が仏国土となると仰せられいるのであります。
 また『立正安国論』の最後の言葉には、
「弥貴公の慈誨を仰ぎ、益愚客の癡心を開き、速やかに対治を廻らして早く泰平を致し、先づ生前を安んじ更に没後を扶けん。唯我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誠めんのみ」(御書250㌻)
と仰せであります。
 御文の意は、「いよいよ貴公の慈悲あふれる教訓を仰ぎ、ますます愚かな自分の迷いを悟ることができた。この上は、速やかに謗法を対治して、早く天下泰平を実現し、まず今世における幸せを確立し、さらに後世をもまた幸せとなるように現当二世にわたる信心に励んでいくためには、ただ自分一人だけが信ずるだけではなく、謗法の害毒によって蝕まれた他の多くの人達の誤りも誡めて、折伏していきたいと思う」と決意を述べられているのであります。
 この最後の第十段は、客の問いがそのまま主人の答えであり、ここに『立正安国論』の結論が出ているのであります。
 すなわち、この最後の御文こそ、立正安国の原理を実践に移し、もって謗法の害毒に蝕まれている多くの人々を救い、仏国土実現へ向けて慈悲の折伏を行じていくことこそ最も肝要であると示された、極めて重要なる御教示なのであります。
 『立正安国論』の冒頭にお示しのように、世の中の不幸と混乱と苦悩の原因は、すべて謗法の害毒にあり、この謗法を対治しなければ世の中は幸せにならないのであります。
 よって、今こそ私どもは、一人ひとりが『立正安国論』の御聖意を奉戴し、御命題の地涌倍増の達成へ向けて総力を結集して折伏に励み、もって大前進を図っていかなければならないと存じます。
 次に、大結集について申し上げれば、これは本年一月三日の「出陣式」の時にも申し上げましたが、「七万五千名大結集総会」は、いまだかつて行われたことがない大結集であり、法華講の精鋭が本門戒壇の大御本尊まします、ここ総本山に集う世紀の大総会であります。
 精鋭とは、広布の使命に燃え、一天四海本因妙広宣流布の願業達成を目指して、一身をなげうって広布に尽くす死身弘法の法華講員のことであります。いわば、広布の戦士であります。大結集総会に集う七万五千名の法華講員の精鋭は、そのまま一人も漏れず、次の広布への戦いの中核となるべき人材であります。
 各講中は、この大結集に当たって、改めて組織を掘り起こし、埋もれている優れた人材を発掘し、大総会に臨むよう推進を図っていく必要があります。講中が強力に推進運動を進めていけば、組織全体が活性化し、強靭な広布の組織が必ず構築できるのであります。 特に、大結集総会に集った七万五千名の精鋭が一斉に立ち上がり、折伏に打って出れば、その波動は全国、否、全世界に広がり、大きな流れとなって、『立正安国論』の御理想実現へ向かって大きく動き出すことは間違いないのであります。
 近年稀に見る世界的な経済不況と混乱、民族間の争いや、戦争がいつ起きても不思議でない現在の混沌とした世相を見るとき、この窮状を救えるのは、ただ末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の三大秘法の仏法以外にはないのであります。
 されば、本宗僧俗の一人ひとりが広布の使命に燃えて、真剣に地涌倍増と大結集の達成に励み、二人、三人、十人、百千万億人と次第に唱え伝えていくならば、広布の大願もけっして夢ではないのであります。
 どうぞ、皆様方には、本年『立正安国論』正義顕揚七百五十年の大佳節を迎え、さらなる精進と異体同心の団結をもって、御命題の地涌倍増と大結集の達成へ向けて御精進くださることを心から念じ、本日の挨拶といたします。

 

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