日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

第68世御法主日如上人猊下御指南(R2.8)

2020-09-04 | 日如上人御指南

 

令和2年8月度広布唱題会の砌

於 総本山客殿

(大日蓮 令和2年9月号 第895号 転載)

(大白法 令和2年8月16日 第1035号 転載) 

 

 本日は、八月度の広布唱題会に当たり、皆様方には諸事万端御繁忙のところを出席され、まことに御苦労さまです。
 広布唱題会については、新型コロナウイルス感染症によって長らく御信徒の方々の参加が見合わされておりましたが、このたび規制が緩和され、御信徒の方々も参加できるようになり、まことに御同慶の至りであります。
 されば、今回の規制緩和を機に、私どもは一日も早い回復を願い、挙宗一致・異体同心して、この苦難を乗り越えていかなければならないと思います。
 さて、大聖人様は『法華題目抄』に、
「今の代の世間の学者の云はく、只信心計りにて解心なく、南無妙法蓮華経と唱ふる計りにて、争でか悪趣をまぬかるべき等云云。此の人々は経文の如くならば、阿鼻大城まぬかれがたし。さればさせる解はなくとも、南無妙法蓮華経と唱ふるならば、悪道をまぬかるべし。譬へば蓮華は日に随ひて回る、蓮に心なし。芭蕉は雷によりて増長す、是の草に耳なし。我等は蓮華と芭蕉との如く、法華経の題目は日輪と雷との如し。犀の生角を身に帯して水に入りぬれば、水五尺身に近づかず。栴檀の一葉開きぬれば、四十由旬の伊蘭変ず。我等が悪業は伊蘭と水との如く、法華経の題目は犀の生角と栴檀の一葉との如し。金剛は堅固にして一切の物に破られざれども、羊の角と亀の甲に破らる。尼倶類樹は大鳥にも枝をれざれども、かのまつげにすくうせうれうちょうにやぶらる。我等が悪業は金剛のごとし、尼倶類樹のごとし。法華経の題目は羊角のごとくせうれう鳥の如し。琥珀は塵をとり磁石は鉄をすう。我等が悪業は塵と鉄との如く、法華経の題目は琥珀と磁石との如し。かくをもひて常に南無妙法蓮華経と唱へさせ給ふべし」(御書354)
と仰せであります。
 ただいま拝読申し上げた御文は、信心口唱の広大なる功徳について御教示あそばされているところの御文であります。
 そこで今、解りやすく、口語体にて申し上げますと、
「今の時代の世間の学者達は『ただ信心ばかりで、法門を理解しようとする心がなく、南無妙法蓮華経の題目を唱えるばかりで、どうして悪道に堕ちることを免れることができようか』と言っている。
 しかし、これら世間の学者は、法華経に説かれているところによれば、いわゆる有解無信、すなわち御法門についての理解はあるが、信心がない者であるから、これでは阿鼻大城に堕ちることは免れ難い。されば、たとえ法門の理解はなくとも、南無妙法蓮華経と唱えるならば、自然に悪道の果報を免れることができるのである。
 例えば、蓮華は太陽の光を受けて順々に開花していくが、別に蓮華に心があるわけではない。また、芭蕉は雷の音で生長すると言われているが、別に耳があるからではない。されば、我ら凡夫は蓮華と芭蕉とのように、無智・無識ではあるが、法華経の題目は日輪と雷との如く、その功徳は殊勝であるから、これを信じて妙法を唱える時は必ず利益を受けることができるのである。
 犀の生角を身に付けて水に入ると、水が身から五尺離れて濡れることがないと言う。香木の栴檀の一葉が開くと、四十由旬の広範囲にわたって悪臭を放っていた伊蘭の匂いが消え去ると言われている。我ら凡夫の悪業の臭気は、伊蘭と水とのようなものであり、法華経の題目は犀の生角と栴檀の一葉のようなものである。
 金剛石は堅固で、いかなるものをもってしても破ることはできないが、羊の角と亀の甲だけには破られると言う。五百台の車を陰に覆って、なお余りあるくらいに広大に生長するという尼倶類樹は、大きな鳥にもその枝は折られないが、蚊の睫に巣を作るという小さな鷦鷯鳥のためには枝が折られると言う。我らの悪業は金剛石の如く、尼倶類樹の如くである。法華経の題目は、羊の角や鷦鷯鳥のようなものである。
 琥珀はよく塵を取り除き、磁石は鉄を吸う。我らの悪業は塵と鉄との如く、法華経の題目は琥珀と磁石との如くである。
 かくの如く、法華経の題目は偉大なる功徳と勝れた能力を有していることを説かれているのである。されば各々、かく信じ、かく思いて、常に南無妙法蓮華経と唱えていきなさい」
と仰せられているのであります。
 すなわち、当文は譬えを挙げて、法華経の題目、すなわち本因下種の妙法の殊に勝れていることを示され、もって一生成仏のためには南無妙法蓮華経を信受することがいかに大事なるかをお示しあそばされているのであります。
 まさしく今日、新型コロナウイルス感染症によって、日本のみならず世界中が騒然としている時、私どもは当抄にお示しあそばされた広大無辺なる大御本尊の功徳を拝信し奉り、いかなる障害や困難が眼前に立ちはだかろうが、一途に妙法を信じ奉り、妙法広布に挺身していくことがいかに肝要であるかを知り、なお一層の精進を願うものであります。
 特に今、宗門は、いよいよ明年に迫った宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の大慶事をお迎えするに当たって、法華講員八十万人体勢構築の実現へ向けて、全支部が僧俗一致・異体同心し、全力を傾注して大折伏戦を展開しております。
 大聖人は『如説修行抄』に、
「法華折伏破権門理の金言なれば、終に権教権門の輩を一人もなくせめをとして法王の家人となし、天下万民諸乗一仏乗と成りて妙法独りはむじょうせん時、万民一同に南無妙法蓮華経と唱へ奉らば、吹く風枝をならさず、雨土くれをくだかず、代はぎのうの世となりて、今生には不祥の災難を払ひて長生の術を得、人法共に不老不死の理顕はれん時を各々御らんぜよ、現世安穏の証文疑ひ有るべがらざる者なり」(同761)
と仰せであります。
 私どもはこの御金言を拝し、仏国土実現へ向けて、講中一結・異体同心して、力強く前進されますよう心から念じまして、本日の挨拶といたします。

 

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