日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

第68世日如上人猊下御指南

2008-08-10 | 日如上人御指南

 

 

 平成20年8月度 広布唱題会の砌

於 総本山客殿

(大日蓮 平成20年9月号 第751号 転載)

 皆さん、おはようございます。本日は、総本山における八月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
 本年「躍進の年」もいよいよ八月に入りましたが、皆様方には日夜、御命題達成へ向けて御精進のことと存じます。
 本年は上半期に全国四ヵ所で「地涌倍増大結集推進決起大会」を開催いたしましたが、いずれの会場においても皆様方の絶大なる御協力によりまして、大勝利を収めることができました。
 この地涌倍増大結集推進決起大会の大勝利をもって、いよいよ後半戦に入り、各支部ともに本年度の折伏誓願を達成すべく、僧俗が一体となって闘っていることと存じます。
 しかし、こうした善事をなさんとする時には、とかく己心の魔を含め、様々な難や降魔が競い起こり、広布への前進を妨げるものであります。『聖愚問答抄』には、
「人の心は水の器にしたがふが如く、物の性は月の波に動くに似たり。故に汝当座は信ずといふとも後日は必ず翻へさん。魔来たり鬼来たるとも騒乱する事なかれ」(御書409㌻)
と仰せであります。
 不退転の決意を持って事に当たるも、「人の心は水の器にしたがふが如く、物の性は月の波に動くに似たり」と厳しく御指摘あそばされているように、移りやすきは人の心であります。何事もない時には泰然としていても、いざ現実に難が襲い来たり、障魔が起これば、驚き慌てるのが人の常であります。
 こうしたことの用心として、大聖人は
「魔来たり鬼来たるとも騒乱する事なかれ」と仰せられているのであります。常日ごろからの心得が大切であること、いついかなる時に難が来たり、障魔が起きようが、慌てることなく泰然として対処するよう、注意を喚起されているのであります。
 そもそも法華経は難信難解の教えであります。法華経の法師品には、
「我が所説の経典、無量千万億にして、已に説き、今説き、当に説かん。而も其の中に於て、此の法華経、最も為れ難信難解なり」(法華経325㌻)
と説かれております。
 その法華経が難信難解なる所以について、大聖人様は『秀句十勝抄』のなかで、
「当に知るべし、已説の四時の経、今説の無量義、当説の涅槃経は易信易解なり、随他意の故に。此の法華経は最も為れ難信難解なり、随自意の故に。随自意の説は随他意に勝れたり」(御書1329㌻)
と仰せられ、法華経は随自意の経説なるが故に難信難解であると明かされているのであります。
 その随自意、随他意について、大聖人は『新池殿御消息』に、
「しかるに如来の聖教に随他意・随自意と申す事あり。譬へば子の心に親の随ふをば随他意と申す。親の心に子の随ふをば随自意と申す。諸経は随他意なり、仏一切衆生の心に随ひ給ふ故に。法華経は随自意なり、一切衆生を仏の心に随へたり。諸経は仏説なれども、是を信ずれば衆生の心にて永く仏にならず。法華経は仏説なり、仏智なり。一字一点も深く信ずれば我が身即ち仏となる。譬へば白紙を墨に染むれば黒くなり、黒漆に白き物を入るれば白くなるが如し。毒薬変じて薬となり、衆生変じて仏となる、故に妙法と申す」(御書1365㌻)
と仰せであります。
 すなわち、法華経以外の諸経は、仏が一切衆生の心に順応して方便をもって説かれた経なるが故に随他意であり、法華経は仏自らの意のままに説かれた経なるが故に随自意の経である。随他意の経は方便なるが故に易信易解、法華経は真実の経なるが故に難信難解であると仰せられているのであります。
 随自意の経説である法華経は、仏意のままに説かれた経説なるが故に、たとえ一字一点でも深くこれを信ずれば、我が身そのままに仏に成ることができるのであります。まさしく妙法信受の功徳は「譬へば白紙を墨に染むれば黒くなり、黒漆に白き物を入るれば白くなるが如し。毒薬変じて薬となり、衆生変じて仏となる、故に妙法と申す」と仰せのように、まことに計り知れない広大なるものが存していることを明かされているのであります。
 つまり、妙法の修行に難が起こるのは必定であり、それを乗り越えるためには結局、大御本尊様への絶対の確信を持って、難が起これば起こるほど、ますます強盛な信心の炎を燃やしていく以外にはないのであります。故に大聖人は『椎地四郎殿御書』に、
「大難来たりなば強盛の信心弥々悦びをなすべし。火に薪をくわへんにさかんなる事なかるべしや。大海へ衆流入る、されども大海は河の水を返す事ありや。法華大海の行者に諸河の水は大難の如く入れども、かへす事とがむる事なし。諸河の水入る事なくば大海あるべからず。大難なくば法華経の行者にはあらじ」(御書1555㌻)
と仰せであります。
 私どもは「大難来たりなば強盛の信心弥々悦びをなすべし」との御金言をよくよく拝し奉るべきであります。
 いかなる大難が競い起きようが、一生成仏への絶好のチャンスであると受け止め、なお一層の信心に励むところに、我々の成仏の道が必ず開かれてくるのであります。否、むしろ難を呼び起こすほどの闘いをしていくところにこそ、即身成仏、立正安国の道が開かれてくるのであります。
 今日、宗門は僧俗一致の態勢のもとに、明年の大佳節へ向けて前進をしております。この時に当たり、我らはいかなる大難、いかなる障魔が襲い起きようが、妙法信受の絶対的信念においてこれらをことごとく粉砕し、もって御命題達成に向けて勇猛精進していくことが大事であります。
 特に、今日の混沌とした世相を見るとき、立正安国の御理想実現のため、我々は今この時こそ、謗法によって貪瞋癡の三毒に害せられた多くの人々に妙法を下種し、折伏を行じていかなければならないと強く感ずるのであります。
 皆様には、是非とも本年後半の、全支部折伏誓願達成へ向けて、僧俗一致、異体同心の団結をもっていよいよ御精進くださるよう心から念じ、本日の挨拶といたします。

 

一、各講中ともに、本年度に立てた折伏誓願は必ず達成すること
ニ、全国四ヵ所で開催する「地涌倍増大結集推進決起大会」を完全勝利すること

 

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