塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り The_備前 混淆花器

2019-05-26 05:12:09 | ミュージアム巡り_2019
 北の丸公園にある東京国立近代美術館工芸館(MOMAT)で、5月
6日まで開催されていた「The_備前」(土と炎から生まれる造形
美)とタイトルがつけられた展示会を鑑賞した。

 備前と言えば釉を使わずにシンプルな焼き物。その原始的な工
芸創作の中にも、“窯変”“緋襷”“牡丹餅”“胡麻”“桟切”
など窯から焼成で生まれてくる色合いは万人を魅了する。

 今回は、桃山時代の古備前の名品から近代作家の作品が展示さ
れていたが、古備前の撮影はNGとなり、先達から受け継いだ備
前焼を中心に紹介する。
 まずは、隠﨑隆一(1950〜 )さんの「混淆花器」(こんこうかき、
2016年、Una Mistura Vase)。
 隠﨑さんは、デザイナー会社から26歳の時に備前市伊部に移
り伊勢﨑淳に師事。20年後に独立し長船町に窯を築く。備前焼
を“備前の土と焼成による無釉焼締陶”と定義し、山土をベース
とした斬新な造形創作活動を展開。近年では、良質な田土に粗悪
な原土を合わせた混淆土を使用した作品が多い。
 この作品は、焼成時に匣鉢の隙間の段差を考慮して、器肌に白
と緋の自然美でありながら重層感を漂わせている。
MOMAT(千代田区北の丸1−1)
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