今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

犯罪

2014年09月25日 | 「本」のひきだし

ブクログより
 


手にしたきっかけは忘れたが、どこかで書評を読んだのだと思う。

舞台はドイツ、主人公の私は弁護士。
あらゆる案件が持ち上がり、真摯に向き合うがいわゆるただ勝利、結果主義というのではなく、深部に迫り理解しようと、被疑者に寄り添う弁護士。そういう訳で法廷のシーンは無く、もっぱら犯罪者の事情に焦点を当てている。

11編からなる短編集だが、11篇とも全く違う話で本当に短いのに、読み終わるとずっしり心に残る話ばかりで、内容が濃い。

簡単に起承転結、と無理やりこじつけるのではなく、でもいつの間にかちゃんと結ばれている。
特に最後の1篇は壮大な一人の人生を読み終えたような読後の満足感に浸れた。

作者自身、ベルリンで刑事事件弁護士として活躍していた。その体験に基づくものは大きいと思う。



犯罪  / フェルディナント・フォン・シーラッハ
★★★★☆ 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久しぶりの航空祭・小松 | トップ | 9月のお菓子 バナーヌ »
最新の画像もっと見る

「本」のひきだし」カテゴリの最新記事