フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

リアルパフォーマンス③ ~再び歩き出した道~

2012-10-15 22:26:37 | ハロプロ(娘。)

 高橋愛がリーダーになってからのモーニング娘。はCD売上が落ちていった。そして、リーダー就任二年目はシングルが二枚しか出せずに終わる。しかも内一枚はカバー曲である。
 しかし、その年の春のコンサートツアーで今までのシングルを全て歌うという体力を消耗する内容のコンサートを行い、それを乗り切ったモーニング娘。は少しずつ変化を始めていた。高橋愛の持っているスキルを最大限に生かすため、曲は聴かせるタイプか、カッコ良さで魅せるタイプか主流となり、他のメンバーもその方向性の元に大きな変化を遂げていく。モーニング娘。はもはや「変な歌を楽しく歌うグループ」という世間の持つイメージの対極へとシフトチェンジを完成させつつあったのだ。

 CD売上は落ちても、残ったファンがその新しい形のモーニング娘。を支持し、動画サイトでライブ動画を見た人が新規ファンとして少しずつ付いてきた。例えるなら、モーニング娘。の格闘スタイルは限りなくショーレスリングからリアルファイトへ転向していくレスラーの如く、闘いにシリアスさを増していくかのようだった。
 惜しむらくは、この時期に決定的な実績を作れなかった事だ。再び宝塚とコラボレーションした「シンデレラ」という舞台はあったものの、完全なるリアルファイト的世界な仕事をグループとして行なう事はなかった。あくまでアイドルという枠組みの中でワザの精度を磨いていった。そんな時期なのである。現在「プラチナ期」と呼ばれて回顧されている時代である。

 高橋愛はアイドルという枠組みを超えたいと思い、モーニング娘。というグループはメンバーの新加入を一時中断する事によって、各メンバーのスキルとグループの連動感を高めてきた。そのクオリティはなかなかのレベルにまで達したものの、その状態が長きに亘り持続される事はなく、結局「プラチナ期」のメンバーは一年半で六人もグループから去っていった。
 高橋愛がいたからこそ、リアルファイト的世界へ限りなく距離を縮めて近づいていく野望があったのだが、もはやそれは過去のものでしかない。高橋愛はモーニング娘。を去り、自らがアイドルとは違う、やはりリアルな道を歩く事を決意して今に至る。

 だが、残されたメンバー、新たに加入したメンバー、いずれも合わせて新しい違う方向を歩く事は可能であり、メディア露出の増加と合わせて、モーニング娘。は「プラチナ期」からのモデルチェンジが可能であった。それはファンも必要としている前提であると考えてきた。それでも再びモーニング娘。はステージ技術を磨き、技術を見せていく道を選択した。メンバーの実力を超えた場所で再び、キャラクター性ではなく、その実力で評価を受ける世界へ。
 そのチャレンジは決して間違いではないのだろう。多くのファンが望んでもいる。高橋愛が作ろうとしてきたものは高橋愛が居なくても作り、積み上げていく事は出来る。全てのアイドルが世間の持つステレオタイプなアイドルへのイメージというものに沿っていく必要はないのだから。 ~了~。

モーニング娘。 『ワクテカ Take a chance』 (Dance Shot Ver.)

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