フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

いつもそばでそっと咲いていたオレンジ色の花

2010-12-07 22:32:51 | ハロプロ(娘。)
 2003年にモーニング娘。がオーディションをすると聞いた時は私は反対でした。当時まだまだ五期メンバーがグループに馴染んでいるとは言い難い状態。新人を入れて人数を増やしたらますます五期メンバーは目立たなくなるのでは?そう心配してきました。
  新たに加入したメンバーに心が惹かれるまでには少し時間がかかりましたが、やがてあるメンバーの事が気になり始めました。そのメンバーは、一見地味な印象でしたが、ハロモニで見せる少しぎこちない笑顔、少し高い可愛い声、それなりに存在感を出している。その存在感は独特の癒し効果があって、見ていると優しい気持ちになれたものです。

 一番最初にその才能に気づいたのは「恋ING」でソロパートをもらった時だったと思うけれど、喋り声のイメージのままの歌声は新鮮でした。喋りと歌は声のトーンが変わるという人は珍しくないし、変わる人の方が上手い人が多いイメージがある。でも、そういう上手いとか下手とかいうのを超えて、しゃべりも歌も変わらない声の可愛さが魅力という武器を公開したそのメンバーの人気が上がっていくのは自然な流れであったように思います、
  ちょうどいいタイミングで「モーニング娘。さくら組」というユニットが結成されて、じっくり見る事が出来るようになったのも良かった。このユニットで親密度が増したというなっちとの2ショットを見ていたら、この子がなっちの路線を継ぐ後継者だという想いも浮かんできました。歌の面とかではなく、存在として、キャラクターとしての後継者。ちょうど、なっちが娘。を卒業する時期でした。

 しかし、彼女はなっちにはなれなかった。笑顔でメンバーやヲタを癒す事に於いてはなっち的存在感であったけれど、シングルで活躍する事はなく、ソロ活動なども少なく、ひたすら縁の下の力持ちとしてグループを支えてきました。
 ステージではみんなにいじられながらアホキャラを演じ、客席を笑わせる。しかし、その姿に悲壮感は漂わせず、あくまでアイドルらしく爽やかに笑顔を貫いた。そして曲が始まると、横や後ろでしなやかにダンスを踊る。

 アイドルを応援していく上でのモチベーションには色んな形がありますが、センターになれず後ろであっても、決して変わらない笑顔とパフォーマンスを見せる子に感情移入してしまう人は多い筈。
 センターでもエースでもなく、ソロ活動で活躍した訳でもなく、それでもグループ内ではとても人気が高い。こういう子に人気があった事が、どこか「救い」でもあったような、そんな数年間に間もなく幕が引かれます。後釜は多分いない。いないからこそ、彼女が地道に築き上げたものが尊く思えてくるのも確かなのです。

 モーニング娘。としてのラストステージも一人で主役にはならない。一緒に卒業していくメンバーがいるからです。でも、そんなグッバイもまた「らしい」かなとも思います。

サヨナラのかわりに-亀井絵里・新垣里沙・リンリン

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする