カメラ趣味の話を今日は書いてみます。
ここ数年、それまで男性が圧倒的に多かったカメラ趣味愛好者に女性が増えてきました。当然男性とは好みの傾向も異なり、綺麗、可愛いが重要であり、何十万円もする機材を買い集めてスペックを語ったりするよりも手軽な機材でいかに欲しい画が撮れるかを楽しむスタンスが主流。写真というものは正解は一つではないから、同じ被写体でも何十万円の機材で撮るよりも携帯で撮った方が面白い時もある。要はセンスなのです。そういう意味では、女性のカメラ好きが増えるのは男性とは違う表現方法の広がりがあって、業界にとっても良い刺激になっているように思います。
などという理屈より、まずは楽しむのが一番。手頃に楽しめる機材としてオススメなものはどれか? 私は「iPhone」をオススメいたしします。
アイドルの中でもiPhoneユーザーが多く、ユーザーであるアイドルがほぼ例外なく写真アプリで遊んでいる。一般的な印象でも、男性iPhoneユーザーよりも女性iPhoneユーザーの方が内蔵カメラを楽しんでいる印象があります。男性の場合は、iPhoneのカメラなんて性能的に物足りないという人が多いのだと思いますが、色んなアプリがあるiPhoneこそ、こんなに遊べるデジカメはなかなか無いと私は思うのです。
「iPhoneは機能の着せ替えが出来るトイカメラである」というのが、使ってみての私の感想です。では、作例をいくつか紹介しながら解説していきましょう。
まずは「Polarize」。アイドル界にも愛用者が多いこのアプリ。無料アプリなのが人気の理由かと思いますが、なかなか楽しめるアプリです。
どんなアプリかと言うと、簡単に言えばポラロイド風の写真が撮れるアプリ。コントラスト若干強めでどこかレトロな色みになります。
ポラロイドですから写真に書き込みも出来ます。日本語未対応なのが残念ではありますが。
花や小物を写して友人にメールしたり、ファイルサイズが軽いのでブログに使用したりするのに良いと思います。
次は私が何気に気に入っているアプリ「Cross Process」。フィルムトイカメラでの現像加工の一つであるクロスプロセスをiPhoneで再現したアプリです。デジカメでも最近この機能を入れた機種をペンタックス、オリンパス、リコーなどが発売しています。
ご覧の通り、色が抜けたレトロな感じになります。どんな色加減になるかは処理されてのお楽しみというのも面白い。撮影しながら処理するもOK、撮影済みの写真を処理する事も出来るので他のアプリで加工したものを処理する二段階加工も出来ます。
個人的には色がこってりし過ぎないので好きな色になる事が多いです。
次はちょっと濃いものを紹介。「Spica」というアプリ。モノクロでハイコントラストの写真を作れます。このアプリも撮影済み写真を加工する事が出来ます。
こういう加工は、オリンパスペンデジタルシリーズに搭載されている「ラフモノクローム」というアートフィルターにも同じような効果が得られるものがありますが、この効果は写真家森山大道さんの写真に見られる処理であり、森山大道気分を味わえるアプリとも言えます。
森山大道さん風に撮れるとあれば、このアプリを使いたいシチュエーションは、スナップ写真家である森山大道さん風に街のスナップで使ってみたいところです。都市の空気感、都市のノイズを表現するアプリと言ったらカッコつけ過ぎかな(苦笑)。
トイカメラ的な写真を撮るのに使っているのは、その名もズバリな「Toy Camera」。
Toy Cameraの写真 More Lomoの写真
画像の周辺が暗くなるトイカメラ的な写真が撮れますが、この周辺光量落ちやコントラスト、そしてカラーにするかモノクロにするかなどを設定で決められます。結構色々応用が利くので、小物から街撮りから更には人物まで、様々な場面で活躍出来そうです。
トイカメラと言えばロシア製のLOMOというフィルムカメラが有名ですが、そのLOMO風の写真が撮れるアプリが「More Lomo」。撮影後に無加工画像も見る事が出来るので、比較して「やっぱり加工無しでいいや」と無加工で保存する事も可能。コントラストは二段階で選べるので強め弱めも好みで演出出来ます。
風変わり系を二つ紹介。パノラマ写真が撮れる「Pano」。撮影するとその写真の端の部分が薄く表示されるので、それを頼りに次の写真を繋ぐ撮影をしていきます。撮影ストップは任意に出来るので、二枚分で繋ぐもよし、たくさん撮って360度パノラマに仕上げるもよし。また、縦に繋いで行けば縦方向のパノラマ写真も作れるので、スカイツリーみたいな高すぎて一枚に収まらない被写体を撮るのにも有効です。
やはり風景を撮るのが一番しっくり来そうです。
最近デジカメ界ではジオラマ写真というものが密かに流行っています。ボケを強調させて特定の被写体が浮き上がって見えるようにして、その被写体がミニチュアモデルみたいに見えるように写真を撮る加工です。
「TILTSHIFT GENELATOR」はそれを作れるアプリ。ぼかしたい部分を選び、ボケの度合いを選んで出来上がり。コツをまだマスター出来ていないのでこんな出来ですが、うまく作ればミニチュアの世界みたいな写真が撮れます。
まだまだ色々あるのですが、今回はこの辺にしておきましょう。
連写写真が撮れる「Dream Camera」、スローシャッターで撮ったような流し撮り写真が作れる「Slow Shutter」など、まだまだ使いこなせていないアプリも所有しているので、また機会を見て紹介したいと思います。
今回の記事を参考に、iPhoneや、カメラ機能が付いた新型iPod Touch(紹介したアプリはすべて対応しています)を持っている方は写真撮影を楽しんでみてほしいなと思います。