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三浦半島小さな旅 その2 ~追浜・長浦~

2006-03-04 22:39:07 | 町と旅

 先々週に買った45年前のカメラ「ミノルタ ユニオマット」に、まだフィルムを通していないので、天気の良かった今日土曜日、撮影散歩に連れ出した。目的地は横須賀市追浜~長浦。(地図は追浜はこちら。長浦はこちら。)

 横須賀に行くという事で、気分を盛り上げるべく美勇伝を聴きながら京急に乗り、横須賀市内に入って最初の駅である追浜に到着。日陰に入るとまだ寒い三月の昼下がり、駅から三十分ほどで最初の目的地貝山緑地に到着。
 ここには夏島貝塚がある事からこの名が付いたと思われるが、かつてこの周辺は海軍航空隊の本部があり、この貝山には滑走路があったそうだ。ここに多くの若者が航空隊予科練習生としてやってきて、戦地へと向かっていったのだという。緑地内には「海軍甲種飛行予科練習生 鎮魂之碑」という碑が建っていた。
 ユニオマット最初の一枚は、この緑地から見下ろす追浜の海。夏島の日産追浜工場、野島公園、八景島などの風景に混じってグレーの海上自衛隊の船も見える広がりある眺め。
 早速、ユニオマットにフィルムを装填しようとしたら、フィルムはちゃんと引っかかっている筈なのに巻き上げレバーが動かない。二、三度やり直して無事完了。
 このユニオマットに付いているレンズの名は「TDロッコール 45mm F2.8」。海軍の光学関係品を作っていた技術者達のレンズ開発技術が下地になっているミノルタ ロッコールレンズ。この地をどんな描写で写しだしてくれるのだろう。

 次の目的地は深浦港。海軍施設をそのまま流用している建物もいくつかあるという工場倉庫群を抜け、細い入江に作られた深浦港に到着。簡単に橋が架けられそうなほど、対岸が近い。クレーンと小舟の似合う小さな港の向こうに見える島は、今は米軍施設となっている(地名は横須賀市箱崎町)。

 深浦からは京急バスに乗りJR田浦駅へと向かう。バスの途中、私にとっても、これを読んでいる人の何%かの人にとっても聖地である京急田浦周辺(横須賀市船越町)を通るが今日は降りない。
 レンガ作りのトンネルが寄り添う静かな田浦駅に着く。駅から少し歩くと田浦港。ここも、クレーンや自衛隊の船などが見える。使われなくなった貨物線の線路があちこちにあり、数メートル程度の短い鉄橋や古びた小型のディーゼル機関車もあった。

 徒歩でトンネルをくぐり、鉄条網のフェンスに遮られた米軍施設とプロ野球のベイスターズの練習場の横を通り、京急の安針塚駅に着く。更に先へと進み、細い山村の路地のような道を歩いているうちに、「ホタルの里」という小川と看板を見つける。梨沙子ヲタな私はこれを見て映画「ほたるの星」を思い出し、そろそろDVDを買わないとなどと思考が横道に逸れる。

 路地はやがて急な坂道に変わり、それとともに山間に入っていく。つい先ほどまで港を歩いていたとは思えない景色の変化にとまどいながら、塚山公園に到着。江戸時代に、この地で外交に活躍した三浦按針ことウイリアムアダムス夫妻の墓がある。
 港の見える丘からは、横須賀の海と港が見下ろせた。今日、一日いくつもの港の風景を眺めてきた。それは、電池いらずで動くユニオマットの、少しばかりくたびれた銀色のボディが、自然にマッチする風景だった。

  今日のBGM  桜の花が咲く頃 / 飯田圭織

コメント
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