Nonsection Radical

撮影と本の空間

10年ぶり

2020年11月04日 | Weblog
先日大阪の実家に行った理由の一つに8x10カメラを持ってくるという”ミッション”があった。
およそ10年前、8x10撮影すべての準備をして、さてと荷物を持ち上げた際にギックリ腰になった。
それ以来もうダメだと放置していたのだが、最近4x5カメラでの撮影を始め、そういえば8x10が実家にと”思い出し”、機会があれば取りに行こうと思っていたのだけれど、そんな機会など来るわけもなく、それではとコロナ騒ぎの合間をぬって引き取りに行ったのだ。
カメラとレンズと三脚で20キロオーバーなのだが、それにさらに10年間”熟成”させておいたフィルムも持ち帰った。
もちろん期限はとっくに過ぎている。
フィルムの中には今はなきポラロイドフィルムがあって、これは当時製造中止という事で大人買いしたもので、1箱15枚入りで約28000円だった。それが4箱残っていたのだ。
持ち帰ってから更に熟成を重ね、ようやく今日やっと撮影する気になった。
というのも、8x10復帰にあわせて買った富士のレンズが曇っていて、レンズ磨きに出す価値があるのかを確認するためにテスト撮影する必要に迫られたのだ。レンズ磨きにお金をかけるよりも別のレンズを買った方が合理的なんだけど、ひとつぐらいキチンと整備したレンズを持っておくというのもオトナのたしなみではないかと思っての事だ。
確認のために最適なのが、”その場”で見ることのできるポラロイド写真である。
さっそく一式用意して、今度はシッカリと腰にコルセットを巻いて近所に遠征した。
2枚撮影して1時間のお遊び時間であった。
デジカメでバシャバシャ撮るのも良いが、一枚撮るのに30分かけるのも遊びとしては有意義である。
で、帰宅して”現像”しようとして、10年間の間に現像の仕方を忘れてしまっていた事に愕然とする。
マニュアルを探すと半日がかりになるので、試行錯誤で現像機械にセットしてようやく出来上がったのがこれらの画像。
10年の熟成で表面のツヤもないプリントとなり、感度も半分に下がってしまったようだ。
それでも条件さえ整えば”味のある”プリントが出来上がることがわかった。
年寄りの手なぐさみとして、これからしばらくは活躍してくれることだろう。
そしてレンズはキチンと磨きに出す事に決めた。
コメント
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