3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

大学生の頃 

2018-12-24 16:58:36 | 日記
偶然だが、大学の卒業のときの写真が出てきた。学科のメンバー全員の集合写真、今はもう亡くなってしまったあの先生もいる。私はどこにいるのか?と探すと最前列の右の端にいる。
思い出した。母が卒業の記念に新調して送ってくれた淡いピンクのワンピースを着ている。懐かしくて涙ぐんでしまう。

私は随分素敵な大学4年生だったのだ、とわれながら思う。スレンダーでひとりすまし顔をしている。大人びている。髪型も随分垢抜けているではないか!
この頃は何を考えていたかと思い出をたどる。希望に満ちていたともいえないが、多感で討論好きの学生だったと思う。


あれから何年がたったのだろう。
時代も大きく変わり、女性の社会進出は当たり前になったが、あの時、私が考えていた男女平等や女性の自立は今でも完全に達成されたとはいえず、未だに#metoo とか言っているわけなので、世の中むしろ逆行しているんじゃないかとも思えてくる。

年の瀬に我が大学生の頃の姿を見出し、ひとり物思いにふけっている。

こんなときのBGMは
シューベルト即興曲集op.90 D.899 第3番変ト長調
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精神疾患の子に苦しむ家族を社会で支える 訪問医療の必要性

2018-12-24 14:34:55 | 現代社会論
統合失調症で暴力をふるう長男を殺害した父親(70)に長野地裁は懲役5年の有罪判決を言い渡した。
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殺人罪に問われた男は妻と長女、長男との4人暮らし。
長男は専門学校を中退した22歳ごろから自宅に引きこもりがちになり、家族に暴力をふるうようになった。長男が暴れると、男と妻は自宅隣の倉庫にいつも逃げ込んでいた。
 長男が30歳を過ぎたころだった。我が子の対応に困り果てた男が妻に切り出した。「殺しちゃおうか」。妻は「私がやります。お父さんにはまだ働いてもらわないと困るから」。1カ月後、妻は息子との無理心中を図り、命を落とした。
 妻の死後、しばらくはおとなしかった長男。それが昨秋ごろ、再び暴力的になった。チェーンソーで自宅の柱や壁を傷つけ、溶かしたセメントを自宅内にまき散らした。男は事件の1カ月前、「頭にくる。殺したくなる」と長女に語った。長女が止めると、自分に言い聞かせるように何度もつぶやいた。「そうだよな」
 事件の前日。男がタイル工の仕事から帰宅すると、寝室にセメントがまかれていた。「家に帰るのが嫌になる」。セメントのこびりついた部屋で眠った。 翌朝8時ごろ、男は車にあった仕事道具の金づちを手に取り、居間で寝ていた長男の元へ。玄関で一度はためらった。前夜には警察に通報しようと、長女と話し合っていた。「でも、もうどうしようもない。やらないと、と思った」

 「病院に行くよう説得するなどせず、殺害の手段を選んだことは短絡的」。室橋雅仁裁判長は判決の中で、こう述べた。最後に男に語りかけた。「あなたは長い間、苦しみました。今後は向き合って、元気に社会に戻ってきてください」

 グレーのスウェットを着て、坊主頭のやせた体。「ありがとうございます」。深く頭を下げた。

 判決はそのまま確定。裁判には毎回、近所の人らが傍聴に訪れていた。寛大な処分を求める嘆願書は約4千人分、集まった。
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家族任せの精神病対策、で、殺人が起きる。それでもっとも苦しんだ家族が殺人罪に問われる、間違っている。
このケースの場合、母親が無理心中で亡くなっている。息子は生き延びた。
こんなになる前に精神病院は訪問診療と治療に手を尽くすべきである。地域の保健師や精神保健福祉士などの専門家が家庭にはいって、家族を長男の暴力から救うために支援すべきである。本人の殺人罪を問う前に、社会的支援のあり方に司法は言及すべきであった。

統合失調症は100人にひとりといわれている。ということは、本人とその家族を含めればそこらじゅうに存在し、激しい症状とまでいかなくても苦しんでいる人々が多く存在することになる。

なのに、家族まかせ、家族が殺人を犯すまで放置するというこの国の精神医療の貧しさ、無関心さに心が痛む。

精神病院や自治体の保健所等にこういう家族を支える訪問医療、訪問看護の体制を整えるべきである。
精神疾患をもつ子どもや親に苦しむ人々は精神疾患が社会から偏見と差別を受けるものであるがゆえになかなか悩みをオープンにしないしクローズになりやすい。檻に入れるとかそういう事件も以前あったが、決して非難することはできない。家族が自己防衛を図ろうと思えば、本人を檻にいれるか、それに近い状態にするしか、身の安全を図ることができないのだ。

暴力の多くは精神疾患と結びついているといわれる。DVや児童虐待などがあとを絶たないが、精神疾患と重ねると新たな問題が見えてくる。

統合失調症は薬で寛解することが可能な病になっている。きちんと服薬をすれば元の生活に戻り社会人をして普通の暮らしができる。
にもかかわらずこういった事件があとを絶たないのは、本当に残念なことである。





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2018.12.23 バルコニー便り 3年手帳を買う

2018-12-23 20:00:07 | 日記
今日は午前中にお歳暮を買いにデパートへ行った。
平日に行けばよいものをこんなクリスマス商戦真っ盛りの中に入り込み困惑する。
人々が押し寄せてくる。

お歳暮を送り、そうそう来年の手帳を買わなくちゃとおもって、手帳売り場に行く。
いつも買うのは3年手帳である。
仕事が結構先までいろいろ決められる種類のものなので、3年手帳でなければ間に合わない。
3年手帳はどこにも売っているものではなく、3年日記はあるのだが、手帳の類は少ない。

3年手帳を毎年買い足して、転記して使う。

2019.2020.2021となると3年目はオリンピックも終わっていて、私も○○才である。
3年手帳は若くて元気なうちは3年先は希望に満ちたものかもしれないが、だんだん年を重ねると3年先のことはわからないと思ってしまう。

1年先だってわからない。
日本の未来だってわからない。地震が起きるかもしれないし、重篤な病気が発見されて入院することになるかもしれないと思うと人生はなんて不透明なものかと思う。

こんな日は、アンスネスが聞きたくなる。別にどうって事ない日だが、
アンスネスのショパンでも聞いて、きっと未来は希望に満ちていると思いたい。
しかし、いま、聞いているのは葬送、なんか暗い。
それでも、まあ、良い。
人生は生まれたときから死に向かって一直線に走り続けるものである。
それは自らの人生を弔うために走り続けるようなものである。だから葬送もいいかもしれないのである。

とまあ、2018年の暮れに一年のあれこれを思い出しつつアンスネスを聞いているのである。

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南青山の児童相談所騒動で児童相談所が注目される

2018-12-21 18:22:46 | 現代社会論
東京23区に児童相談所を設置するのはまさに悲願であったのである。
次の2016年5月の記事を読むとそれが良くわかる。

毎日新聞2016年5月29日 12時47分

改正児童福祉法
東京23区に悲願の児童相談所開設へ

2016年5月27日成立した児童福祉法などの改正法は、児童虐待の防止から虐待を受けた子どもの自立支援まで総合的に強化するのが狙いだ。これによりどこまで子どもたちを守れるのだろうか。法改正を待ち望んでいた人たちを取材した。【黒田阿紗子】

 数年前の冬、東京都港区の子ども家庭支援センターに一つの通報があった。

 「冬なのに子どもが半袖姿だった。どんどん痩せてきており、おかしい」

 子どもは小学生だが最近は学校には通っていないという。職員が自宅を訪れると、食事を満足に与えられてい子どもは小学生だが最近は学校には通っていないという。職員が自宅を訪れると、食事を満足に与えられていない様子で、衣服は汚れが目立っていた。保護者の帰宅が遅く、子どもの生活は昼夜逆転しているのは明らかだった。学校での様子や生活環境を調査した後、センター内で検討。「一時保護の必要がある」と都児童相談所(児相)に伝えた。

 児相は、明確な暴力があればすぐに親から引き離すが、ネグレクト(育児放棄)の場合は緊急性が伝わりにくい。「精神的に限界」と子どもがセンター職員に保護を訴えたこともあり、半年後にようやく児相に一時保護された。

 センターの保志幸子所長は「子どもにとって半年は貴重な時間。区が児相を持てば、一時保護や保護者への指導を状況に応じて迅速に行えるようになる」と話す。既に児相の開設を目指して内部で検討を始め、職員を都児相に派遣したり、児童福祉司の資格取得を進めたりしている。

 全国に208ある児相は、都道府県と政令市に最低1カ所の設置が義務付けられている。任意で設置できる自治体は中核市だけだったが、改正法で特別区(東京23区)も加わった。国が児相設置を拡大した背景には、目安とされてきた「人口50万人に1カ所」では増加を続ける虐待相談に対応できないことがある。

 中核市の多くは、人材不足や財政負担から設置に二の足を踏む。だが、東京23区にとって児相の開設は「悲願」だった。設置に向けた議論が加速したのは2010年に起きた小学1年の男児の虐待死事件がきっかけだった。都も区も異変を察知しながら最悪の事態を避けられなかった。

 虐待に関する情報があれば、各区の子ども家庭支援センターが相談を受けて子どもの安全確認や在宅支援を行い、保護が必要なケースは権限のある児相に引き継ぐ仕組みになっている。だが、特別区長会は「二つの機関が存在することによって、認識に温度差が生じ、迅速な対応がとれないことがある」などとして、児相業務の移管を強く都に求めた。

 13年には「特別区児童相談所移管モデル」を提示。現在23区内に7カ所ある都児相を、各区計23カ所の児相に移管する構想で、開設までの準備期間を4年と見積もった。

 改正法成立を受け、区長会会長の西川太一郎・荒川区長は「準備が整った区から、順次、児相の設置を目指す」とのコメントを発表した。区長会事務局は「開設には都の協力が不可欠のため、早急に協議を始めたい」と話す。

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という経緯で23区にも順次児相を設置することになったのである。東京23区の児相の開設は悲願だったのである。
港区だろうが、南青山だろうが、虐待を受けている子どもがゼロというわけではない。
南青山の施設では、母子生活施設が併設されるという。これはDV母子のシェルター的な要素が強い施設である。
日本全国、港区も例外なく、子どもの虐待、女性へのDVは後を絶たない。
南青山、高級ブティックが立ち並ぶ東京のど真ん中で子どもや母親を虐待から護る施設をつくるなんて素敵じゃないか。
豊かな社会にも虐待はあり、きらびやかななかにもDVは存在するのである。
子どもを護る施設ができること、それを支持することは成熟した社会にいきるわれわれのひとつの見識である。
これを機に港区で子どもの虐待やDVがゼロになれば快挙ではないだろうか。
高級ブティックで金儲けしても子どもの虐待やDVということに意識がなく理解もできないなんて、あまりにても低レベルの市民ではないだろうか。
税収の豊かな港区だからこそできる設置であり、港区児相は23区の希望の星なのである。

今回の件で、全国に児童相談所の存在が知られることになってよかった。

子育てに悩むお母さん、お父さんやお母さんから虐待を受けている子どもたちよ、児相はあなたたちを決して見捨てませんから、悩んでいる人はすぐに近くの子ども家庭センターでも児童相談所でもいいので電話してほしい。DVのお母さんもどんどん相談してほしい。それから、虐待の定義は、身体的虐待ばかりでなく、心理的、性的、育児放棄なども虐待です。夫婦喧嘩を子どもの前ですると虐待にあたるし、とにかく、対象範囲は広いのです。この際、一気にみなで児童虐待やDV、児童相談所の社会的意義について改めて考えたいと思うのである。




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カルロス・ゴーンの再逮捕:背中の桜吹雪が舞う東京地検特捜部

2018-12-21 13:56:42 | 現代社会論
自己の金融取引で発生した損失を日産自動車に付け替えるなどしたとして、東京地検特捜部は21日、日産前会長のカルロス・ゴーン被告(64)=金融商品取引法違反で起訴=を会社法違反(特別背任)容疑で新たに再逮捕した。東京地裁は20日、前会長らに対する検察側の勾留延長請求を却下し、準抗告も棄却していた。このため、前会長は保釈される可能性が高まっていたが、勾留がさらに続くことになった。

ホー、 東京地検特捜部の背中に桜吹雪の刺青があるとしか言いようがないほどの痛快さ、である。
フランス人には痛いかもしれない。
しかし、コストカットとして冷や飯を食わされた労働者たちにとっては、これほど痛快なことはないのではないだろうか。
自分の投資の失敗で出た損失を会社に付け替えていたとか。

金持ちが優遇される税制、それだけでなくお目こぼしさえされてしまうという当世の事情に正義はないのかと思っていたが、特捜部の快進撃に拍手をしてしまう。

フランス人はどうだか知らないが、多くの日本人は判官びいきであり、弱いものいじめの悪代官や悪徳商人をひどく嫌うのである。
もっとも嫌うのは私利私欲に走る政治家、官僚や商人である。
こうなったら、特捜部の威信をかけてとことん追及してほしいものである。

お天道様が許さないのである。

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