3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

経産省の若手の提言「不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか」を読む :提言?寝言だろう

2017-05-20 11:28:33 | 現代社会論
不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか
というのを読んだ。

そこいらのテキストをまとめたって感じの特に新しいことは書いていない。
国際比較して、日本は高齢者にやさしく、現役世代には冷たいという。


SWEDENと比較して、高齢化社会にはこれくらいの高齢者のための年金医療が必要であることがわかる。日本が特段高齢者にやさしいとは思えない。
むしろ、現役世代の予算が少なすぎる、異常に少ないことが特徴である。さらに、他国は住宅費が入っている。日本は住宅は入っていないと思われるので、単純な比較はできないのではないか。
日本の公的な住宅というのは本当に雀の涙ぐらいだからね。

つまり、日本は、社会保障費用全体が少ないのである。それに年金医療はそう簡単に削減できない。そんなことは常識である。
実際、公的年金は高齢者の生活にとって命綱であるのが現実である。公的年金なしに自力でやれるのは経産省の官僚の親?かトランプみたいな富豪だけだろうよ。

結局、社会保障費用全体がしょぼいので、現役世代にお金が回らず・・パイの論理である。
現役世代は卑屈になり、死にそうな高齢者に胃瘻なんかして延命せずにその金を現役世代に回せとのたまう。
貧すれば鈍するである。
そのうち、障がいのある人々も殺せというような勢いで、へどがでる。シルバー民主主義を打つといっているし。

現役世代にお金を回すためにはパイ自体を大きくするしかないのである。
まったく、自分がいつまで現役なのかとおもっているのかわからないが、高齢者の生活をイメージできずにいる官僚たちの発想なのだろうが、だんだん読んでいるうちにムカついてくる。

高齢者の費用を削減してもいいかもしれないが、それで餓死者が出たらどうするつもりだ。
高齢者医療を削減するって?それもいいだろう。しかし、生きられるはずの高齢者をすぐ死なせるのに同意するのは若い官僚の家ではそうしているのかもしれないが、あなたの祖父母はそうしてほしいんだが、みすみす生きられる親を早死にさせるほどの決断ができる子は少ないと思う。

男性働き型モデルで専業主婦を国是とする政策を長くしておき、母子世帯になったら即生活保護みたいな世帯が急増しているわけで、結局、専業主婦をやめて女性も高齢者も働く社会に転換させるしかないのだろうが、
そんなにうまい具合に就労機会があるともいえず、四面楚歌である。

結局、消費税をあげ所得税を厳格化し現役世代共働き75歳定年型社会(ただし、年金支給は65歳原則)に大転換するしかないのである。
高齢者は弱者ではないというが、経産省の官僚の家の年寄は金が余っているのだろうが、一般的には仕事から離れ、病気になって虚弱になれば高齢者はそく弱者になるんだから、高齢者は弱者じゃないというのもバカも休み休みにと思う。

この提言だか寝言だかわからないが、こんなものを時間をかけて、しかも母校の指導教授にヒヤリングなんかして、まったく暇な奴らだと思うが、だんだん、こんなのが経産省の役人やっているかと思うと日本の将来はますます暗く、暗澹たる気持ちになってしまう。

経産省の若手の官僚のみなさん、1か月、在宅老人の世帯でも特養でもいいので、実習にいって、いったいどのような高齢期の暮らしがあるのか終末期の実際はどうなのか、どれくらいの医療が必要で家族はどのような葛藤があるのか、よく見てきてほしいものである。
議論するのはそれからだ。

社会の実態は複雑で世代間の対立だけに特化して議論するのはあまりに危険である。
ことは世代間の対立ではなく、所得格差、資産格差、教育格差の問題だから。

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