3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

『「すべての夫」の給料が先だ』とは思わない 2

2014-11-03 11:24:59 | 女性の地位
すべての夫の給料が先だとは思わないという昨日の書き込みに対して、次のようなコメントを頂戴した。

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すべての夫の給料が先だとは思わないという意見に賛成します。なぜなら、
世の中の男性を例に、非正規雇用という不公平な身分制度で安い給料で昇給もなく生涯賃金や老後の年金でも大きな格差が存在します。
このような不公平な制度を「女性が輝ける」を云々する前に正す方が先だということを言っているのです。
非正規雇用の待遇では、妻が産休や育休で無給の状態では生活に困窮するでしょう。

もう一つは、女性が子育てしている時期こそが最高に輝いている時であって、子供にとっても母親にとっても人生に於いて最も幸せな時期です。仕事よりも子育てのほうが大事だという価値観です。短い産休や育休を早々に仕事に駆り立てられることが輝くことではないことを指摘しているのです。

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コメントくださったのは男性だと思われますが、
世の中、非正規雇用という不公平な「身分制度」で安い給料で昇給もなく・・・というのは男女ともにそうなのではないでしょうか。
男性だけでなく、もともと女性は非正規雇用で働いていた。そういう労働慣行があったのですが、それをやめて正規雇用化したほうがよいのではないかと思うだけです。
夫の給料が先だとはいっても、労働の質がかわりサービス産業などで女性の労働のほうが求められる職場が拡大しているので労働市場は女性労働力を必要としているというのが現実です。だから、夫の給料をあげるより女性労働力を上げたほうが社会としてはありがたい。産業構造の変化ですから仕方ありません。夫の給料だけでなくむしろ夫婦の給料を上げるという発想が求められていると思います。加えて、離婚率も高くなっているので、夫の給料のことばかりを考えていると母子世帯の貧困化はますます深くなってしまいます。

ちなみに正規雇用で働く女性の生涯賃金は一億7千万ぐらいで、パートの場合は、4千万~5千万ぐらいと言われています。
当然、男女ともに正規雇用で働くほうが生涯賃金は高いということは明らかです。老後の貧困がいわれていますが、男女ともに厚生年金であれば、それなりの年金額が得られます。
先の見えない時代ですから、男女ともに働くという生活スタイルに切り替えたほうがよいと思うのです。仮に夫が失業しても妻がもともと働いていればあわてることはありません。

妻が正規雇用、正規雇用に近い働き方であれば、産前産後の休業、育児休業は法的に認められていて、賃金は支払われるのですから、大丈夫です。
妊娠出産で退職を迫られるようなことがあればそれは違法です。短い産休?産前6産後8週間は保障されていますし、正規雇用的な雇用形態であれば育児休業もそれなり取得できるでしょう。保育園や初等教育の充実こそが必要だと思います。

女性が子育てしている時期こそが最高に輝いている時とおっしゃいますが、男性だって子育ては楽しいものでしょう。男性も仕事より子育てという価値観を持つ人もいるでしょうし、若い夫婦は仕事も楽しいが子育ても楽しいという人たちが増えているように思います。

だいたい「女性が子育てしている時期こそが最高に輝いている時」なんていうのは、どうなんでしょう。
うらをかえせば子育て終わった女性は輝けないのでしょうか?子どもを産まない女性は輝けないのでしょうか?
人生90歳100歳時代、一人か二人しか生まない子育ての時期は一生のうちでほんのわずかな期間になっています。その時期にだけ輝くために女性は生まれてきたわけでもないでしょう。

昨日も書きましたが、男女ともに労働時間を減らすべきです。男女がそれぞれの生活スタイルにマッチした働き方をしながら子育ても仕事も充実して生涯仕事を継続するという生き方がこれからは求められているのではないでしょうか。少子化がこれだけ進み、超高齢化社会がいわれている時代に、高度経済成長時代のような価値観ではとても乗り切れないことは明白です。







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