3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

母子世帯の貧困は当然の結果なのではないだろうか。

2015-12-30 12:37:42 | 女性の地位
厚労省が出している平成23年度全国母子世帯等調査報告書を読むと、母子世帯の実情がいろいろわかる。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/

興味深いのは、ひとり親になる前の親の就業状況である。
母子世帯は就業していたのが73.7%、不就業は25.4%である。
就業していたとはいえ、半数はパート・アルバイトで、正規の社員は29.5%程度である。
母子世帯になる前に経済的に自立可能であったと思われるのは、かなり乱暴な言い方をすると、正規社員である3割程度であり、あとは、パート・アルバイト、不就業の女性たちで、そういう人々は離婚後一挙に貧困に転落してしまうことが想像できる。実家の助けや幸運にもよい仕事にありつけたというようなことを除けば。

夫のDVや借金などで離婚して、母子世帯になって、初めて正規社員を見つけることになったのだろうか。あるいは、パート・アルバイトをそのまま継続しているのだろうか。不就業の女性たちは母子世帯になった段階で仕事を見つけることになるわけで、それまで、資格や技術を磨いていればいいが、そういうこともなければ仕事は見つかりにくい。
それまで、不就業の女性がいきなり社会に出て一から仕事をみつけ、子育てもして、というのはそれはとても大変なことであり、女ひとりならなんとか食べていけても子どもがいると生活困難となる。結果として経済的にも子育ても困窮し、生活は行き詰まる。にっちもさっちもいかなくなる。子どもの貧困の後ろに母親の労働をめぐる構造的問題がある。

反対に父子世帯の場合は、不就業の人は3%弱である。

女性が結婚後、家庭に入って子育てに専念し、不就業かパート・アルバイトで小遣い稼ぎ程度の仕事しかしていなければ、母子世帯になって経済的困窮にさらされるのは当たり前のことである。

女性が働き続けるモデルを広める必要があるのである。
女性は結婚退職や子育て退職などしているひまはないのである。
男女は結婚子育てをしながら働くという生活をモデルとしなければなならない時代になったのである。

専業主婦を家で囲い、子育てさせておくのはあまりに女性労働力としてもったいない。
少子高齢社会なのである。どんどん女性を社会で雇い、社会保険をはらってもらう働き方を奨励し、離婚してもなにがあっても働き続けられるような労働環境を整備する。
それこそが女性活躍社会のやるべきことなのである。

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