3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

青山繁晴(独立総合研究所)の取材から

2011-05-01 20:17:11 | 福島原子力発電所事故
青山繁晴氏による被災した福島原子力発電所内部への取材レポートをTVでみた。
福島の吉田所長とのやりとりについても報告していた。
福島内部で何が起き、今どのような状態なのか、よくわかるすばらしい取材だった。
内部は津波でみちゃくちゃにされたが、とにかく、発電所は地震にはもちこたえた。電源喪失さえなければ大事に至らなかったように思えた。

しかし、その後の東電本社の閉鎖性と官僚的体制のもとで、現場は本当に苦労しているようだ。これは人災だと青山氏がいっていた。本当にそうなのだろう。

次の地震と津波に対応するために防潮堤を、という現場の声に、本社は防潮堤ではなく、土嚢を提案したとか。それはあまりにひどい。安上がりに終わらせようとしているのだろうか。

とにかく、現場を信頼し、すべての決定権を与えることが必要なのではないか。
本店の会議室にいるひとたちなんて、放射能の恐怖と戦うことはない。彼らは現場にいないし、経営感覚だけで判断するような文系経営者では、現場を理解することはできない。適切な対策をとれるはずがないではないか。

だいたい、東電と保安院のレベルではなく、これは世界の危機であり、この事故のさまざまなデータはすべて人類共通の負の財産として蓄積する必要がある。一国の問題ではなく、ましてや東電という一企業の問題ではないということを経営者も国も肝に命じろといいたい。

さらに、その場にいたテリー伊藤が、避難している福島の人たちはいつ帰れるかと思っていると思うんですよねえ。で、いつかえれるんですかあ?と、間が抜けた質問をしていた。
だからね、この3か月の対応の仕方でいつ帰れるかがきまるんだっていってるでしょ。

今が勝負、一刻一刻、冷静にもっともよいとおもえる方向をめざしてやるしかないのだろう。
先が見えないなんて、現場にいる技術者の人々だって見えてはいないのだろう。しかし、一つ一つの作業の積み重ねが小さな希望を見出すことにつながる。そういう種の作業なのだろう。

それにしても、マスコミの劣化はどうしようもない。
メディア関係者はもっと勉強せよといいたい。くだらないコメント、何の生産的な世論を巻き起こすようなことのないコメントなどするな。電波がもったいない。

ないやらわけのわからない歌舞伎役者への追求も福島の発電所の事故も同じ調子で取材するな。

今回の青山氏のような取材がいくつもでてきたら、と思う。
福島はとにかく実態を明らかにすること、そこから始めるしかないのだ。




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