3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

トランプ議会演説 アメリカ人は単純なのだろうか

2017-03-03 13:22:58 | 現代社会論
トランプ新大統領が議会演説をして、その内容がよかったと支持率を上げているという。
アメリカ人ていうのは、なんて単純な人種なんだろう。騙されやすい人々。
分断はよくない、議会は力を合わせてアメリカのためにガンバローっていう感じの内容で、共和党が作文したものを何度も練習させられ、大衆受けするように仕組まれた演説というほかはない。

言っていることの内容も、よく聞いてみると、移民の犯罪率やいろいろかなり嘘があり、しかし、その場の勢いにみな騙され、スタンディングオーベーションだって?
笑っちゃう。

果ては、イラクで戦死した妻を登場させ、涙の演出、こういう演出については、だれも否定できないから、効果抜群である。
しかし、そんなに戦死した兵士との残された家族を悼むなら、軍拡はやめるべきだし、日米戦争の犠牲者も出してほしいものである。

移民に兄弟を殺された黒人の家族を登場させ、移民の犯罪率をあげ、移民を犯罪扱いする演出。日ごろ黒人を差別しているくせに、こんな時だけ登場させ、持ち上げる。胸糞わるいぜ。
これもフェイクである。

巧妙に仕組まれたトランプ政権の罠、涙をながさせたりして、共感の渦をわき起こすという戦略は、単純な低学歴の失業者層や保守層には訴えるものなのだろう。

しかし、こんな演出にコロっといくアメリカの知性ってどんだけ?と思ってしまう。

具体的な医療制度のプランをだすわけでもなく、なんの新しい具体的な政策を提示するわけでもないのに、拍手を送る議会と国民に本当に失望する。大丈夫か、アメリカ!いつか後悔するからと言ってやりたい。

外から見れば、この女性蔑視の低俗な大統領がやることは、見えているのである。
共和党からすれば、せっかく奪還した政権をこのまま批判の的にし続けるわけにはいかないのだろうから、手綱を締めにかかったのだろうが、
そうは簡単に問屋は卸さない思う。それに、アメリカはトランプ政権誕生以来、各種の差別的な発言と言動により世界から笑われているのであるし、実際、内部の対立ははげしいし、雇用の拡大は本当にできるかあやしいから、こんなところでアメリカは一体だと口先のみでいったところで、なにも解決はなく、話にならない。アメリカファーストは実は白人第一主義であり、われわれアジア人なんかは差別の対象であることを日本は忘れてはならない。

軍縮や環境、貧困や性差別の解消など世界が一つになって取り組まなければいけないときに、自国の利益のみを優先させるこんな大統領をうやうやしくいただいている国なんて、たいしたことない、と内心思ってしまう。

今更、偉そうな演説をしたところで、そう簡単に軽蔑の念が払拭されるわけではないことをアメリカ国民は知るべきである。
もっとも、世界がどう思っているかなんて全く興味ないというのがアメリカ国民の多数だと思うのだが、だからこそ、トランプなんかを選んでしまうわけで、アメリカのこの知性なき大統領がその座にいる限り、当分、アメリカの政治的文化的衰退は進む一方であり、その結果、世界の不安定性はますます深まるだろう。





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