京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

藤城清治 卒寿記念90展

2014-08-15 22:30:47 | ギャラリー
影絵作家の藤城清治さんの卒寿を記念して約90点の作品が展示されている。
朝日新聞の記事によれば、6月に白内障の手術をし、『それまで見ていた景色が驚くほど鮮やかさを増した』と
ますます精力的に活動しているという。

                 
                 展示室のスペースが少々手狭、これでもか!
                 というほど作品がぎっしリ並んででいた。 
                 レプリカだからだろうか、フラッシュを使わ
                 なければ撮影OK。

        
        入り口を入るとまずケロヨンのワールド。「ケロヨンのユートピア」という大きな作品。
        かっこいいケロヨン、動物たちが楽しそう♪

        
        「こびとの靴屋」
        靴屋のおじいさんが夜なべで仕事をしていて疲れてくると、こびとがあらわれて、
        せっせと手伝い始める。ぼくが夜なべで影絵をつくっているとこびとが出てきて手伝う。
        なんとなく似ている。40年ほど前の、大好きな原点のような作品、と藤城さんは
        書いてる。

        
        「ぼくの窓」
        藤城さんは窓が大好きなんだそうです。窓を開けると、藤城さんの目にはこんな光景
        が映るのでしょうね。
        この絵は今回私が一番気に入った絵です。窓から見えるのは林檎の木に座って飛ん
        んでいる魔法使いのおじいさん(おばあさんじゃないところが愉快)楽しさ満載!

        
        「角笛と少年」1977年の制作。藤城さん、50代前半の作品だが現存しているのは
        フイルムだけ。原画は傷んでしまっていたので、寸分違わず忠実に復元したもの。
        版画になっている影絵の中で一番人気のある作品だそうです。

      
      若い頃はメルヘンやじぶんの心象風景などをかくことが多かったけれど、年とともに自然や
      地球の素晴らしさにひかれるようになり、もっと自然の美しさを描こうと思うようになった。
      しかし、東北の震災の跡を目にした時、がれきとなって残っているさまざまな想いを描かな
      ければと思った。多くの人が震災を乗り越えて、未来への希望を感じるような絵を描いてゆく
      ことが使命だと思っているという。

        
        「陸前高田の奇跡の一本松」

     
     「魔法の森に燃える再生の炎」
     
     『小さい頃 ぼくのあこがれは魔法使いのおばあさん
      魔法の森は ぼくの夢の中のふしぎなふしぎな森だった
      ぼくがはじめて乗った乗り物はメリーゴーランドの木馬だった
      木馬に乗って魔法にかかったようにクルクルまわった気がした
      
      もう80年以上前の遠い昔の夢だけれど
      ぼくの心の中でずっと持ちつづけているメルヘンの原点』

     『2013年、那須の美術館の4月、最初のオープンに間に合わず、6月のグランドオープンに
     やっと出来上がった、ぼくの気力、体力、技術のすべてをつぎこんだ作品』
     幅が6メートルあり、水槽を使った作品の中では最大のものだそうだ。今回代表作として展示
     するために縮小してレプリカにしたもの。

     いままで、何回かあちこちで藤城清治さんの影絵は見てきましたが、90才でこの迫力と繊細さ、
     感動しました。那須の美術館に行ってみたいものです。