サッカー日誌 / 2010年05月29日


ワールドカップ壮行試合(下)


大会直前、準備試合の評価
日本 0対2 韓国
5月24日 埼玉スタジアム

★結果を気にする必要はない
 ワールドカップ開幕直前の「準備試合」の結果は、本番を占う材料にはならない。これは常識である。選手の体調もチームとしてのまとまりも調整途上だからである。
 日本代表の韓国との試合も「準備試合」の一つだった。だから0対2の負けという結果を気にする必要はない。中村俊輔や遠藤保仁の動きが悪かったのも、リーグのシーズンを中断した直後だからやむをえない。
 ただ「壮行試合」だから難しい問題もあった。ホームで57,873人もの大観衆を集め、テレビで放映されるとなると、試合ぶりや勝ち負けはどうでもいいというわけにはいかない。地元のサポーターやテレビの視聴者に納得してもらえるものを見せる必要はある。短い時間帯でもいいから、日本を代表するスターらしいプレーを披露し、ワールドカップへ出陣する意気込みを示して欲しい。

★みごとなパク・チソンの先取点
 日本チームには、それがなかった。だから「準備試合」であることを充分に承知しているはずのマスコミからも、厳しい批判を浴びることになった。
 逆に韓国のほうが「お客さん受け」するプレーを見せた。前半6分のパク・チソン(朴智星)の先取点がそれである。ヘディングの競り合いでこぼれるボールを狙っていて、一気にかっさらってドリブルで守りを置き去りにしてシュートを決めた。その狙い、技術、スピード、シュート力。「さすが、世界トップクラスのマンチェスター・ユナイテッドで活躍するスターだ」というところを見せた。日本のほうに、こういうプレーがあれば、たとえ結果が黒星であっても、お客さんは評価してくれただろう。
 そのあと、韓国は中盤でしっかり守備をして日本の反撃を封じた。親善試合ではあっても、韓国らしい闘志をみせた。

★日本協会のアレンジ・ミス
 韓国は8日前の16日にソウルでエクアドルと壮行試合をして2対0で勝っている。その後の欧州へ向かう途中の日本との試合は、まったくの「準備試合」だったはずだが、相手が積年のライバルとあって、むざむざと負けるわけにはいかなかった。だから、準備試合にしては気合いの入ったプレーをした。日本としては、難しい時期に、難しい相手との「壮行試合」を組んだものである。日本サッカー協会のアレンジが不適切だった。
 ワールドカップ出場メンバーについて、韓国はまず30人の予備登録を発表し、エクアドルとの壮行試合のあと26人に減らし、日本との準備試合のあとに、さらに3人はずして6月1日のFIFA締め切りまでに23人を決めた。岡田監督は最初から23人に絞っていた。  
 韓国の若手には、代表への生き残りをかけるモチベーションがあり、日本選手には、それがなかった。それも影響したかもしれない。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ワールドカッ... W杯南ア大会... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.