サッカー日誌 / 2015年11月19日


ハリル監督のチーム作り


W杯アジア2次予選E組 
日本 3対0 シンガポール
(11月12日、シンガポール=フジテレビ)
日本 2対0 カンボジア
(11月17日、プノンペン=日本テレビ)

★復帰起用の選手が活躍
 サッカー・ワールドカップ・ロシア大会のアジア2次予選の2順目の試合で、日本代表チームが、シンガポールとカンボジアに転戦した。2戦とも無失点で勝った。
 「ハリルホジッチ監督のチーム作りの方針が、ますます明らかになった」というのが、ぼくの感想である。
 ハリルホジッチ監督の第1戦のときから「新監督の良い点は用兵だ」と、ぼくは感じていた。
 今回は、それに加えて「選手を見る目」の確かさを示したと思う。
 金崎夢生(むう)と柏木陽介の起用が、それである
 金崎も柏木も、久しぶりの日本代表復帰だった。
 ともに、ユースのころから注目され、Jリーグや海外で実績を重ねてきたプレーヤーだが、ハリルホジッチ監督は、そういう経歴を知って起用したわけではないだろう。
 現在のJリーグでのプレーぶりを見て選んだのだと思う。

★「自分の目」で選ぶ
 金崎は、シンガポールとの試合で前線のワントップで先発した。これまでは岡崎慎司か本田圭佑が占めていたポジションである。
 前半20分に先取点を決めた。ゴール前でボールを受け、胸で落としてシュートした。いい形だった。
 柏木は、中盤のダブル・ボランチに長谷部誠と並んで起用された。これまでは遠藤保仁が勤めていた役割である。
 相手の攻めの起点をチェックし、前線へ走る味方に鋭いパスを出して攻めの起点となる。
 そういう場面が、なんどもあった。
 ハリルホジッチ監督が、自分の目で見て選んだプレーヤーが、期待通りに活躍した。
 勝つために安全な道を選ぶなら、実績のある岡崎や遠藤を使う手もあったはずである。
 安全策よりも「自分の目」を信頼した起用に感心した。

★組み合わせを試す
 「用兵」でも新しい試みをみせた。
 シンガポールとの試合では、岡崎、香川を先発からはずし、トップ下に清武弘嗣(ひろし)を起用した。
 カンボジアとの試合では、先発を8人入れ替え、本田を先発からはずし、香川のトップ下でスタートした。
 いろいろなプレーヤーを使って、いろいろな組み合わせを試してみる狙いだろう。
 前半は0対0で苦戦した。ダブル・ボランチの新コンビが、うまく機能していないように見えた。
 しかし、後半の最初から柏木を投入すると生き返った。
 柏木起用は今回の最大の収穫だったと思う。
 ハリルホジッチ監督は、その時点での「ベストの状態のプレーヤー」を起用する考えである。
 そうして試合を積み重ねていくことによって、代表チームの骨格が出来てくるのだろう。


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