サッカー日誌 / 2015年11月04日


スポーツ組織を考える(中)


JSCはいらない

スポーツ政策研究会
(10月26日、四谷保健センター)

★トトのお金を管理
 日本スポーツ振興センター(JSC)という組織がある。
 文部科学省が管轄している特別行政法人である。
 JSCの主要な仕事は、スポーツ振興資金の管理である。
 スポーツ振興資金は「トト」の収益が中心である。
 この資金を、どう使うかをJSCが決める。
 大まかに言って、3種類の使い道があるようだ。
 第一は「選手強化」への援助である。
 レベルアップを担当するのは陸上競技連盟などの競技団体であり、オリンピック参加については日本オリンピック委員会(JOC)である。
 こういう団体に対する資金配分を決める。 
 第二には、各地のスポーツ施設の建設、整備と維持への補助である。国立競技場の運営と、新国立競技場の建設計画もJSCの縄張りだった。
 第三には、ラグビーのワールドカップのような国際競技会開催の資金援助である。

★第三者機関が必要
 スポーツ振興資金の配分を決めるのは、第三者の機関であうことが必要だろう。
 利害関係者の間で、自分たちに都合のいいように、お金を分けるのは公正でない。
 ところが、JSCは「公正な第三者」ではない。
 国立競技場の維持管理は、JSCの仕事だった。
 そのためにトトのお金が使われていた。
 トトの援助を受け取る側が、トトのお金の配分を決めていたのである。
 2019年に日本で開かれるラグビーのワールドカップのために、スポーツ振興資金から多額の援助が行われる。
 その額は55億円以上になる見込みらしい。
 それを決めるJSCの理事長は、ラグビー出身の河野一郎だった。
 河野理事長は、9月末に任期満了で退任したが。その後任もラグビー出身者である
 
★強化と普及の現場の意見
 ラグビー出身者が、ラグビーの大会のために多額の資金を配分する。これは公正でない。
 スポーツ庁ができたのだから、スポーツ振興資金は、スポーツ庁で一元的に管理してはどうか?
 われわれの「スポーツ政策研究会」でも「JSCとスポーツ庁は、二重管理だ」という意見が出た。
 スポーツ振興資金の配分は、別に第三者による委員会を設けて、審議してもらうべきだと思う。
 JSCは手を引いたほうがいい。
 とは言っても、スポーツ政策の策定と資金の使い方に関して「お役所」に全面的に任せていいのだろうか?
 それが問題である。
 選手強化、あるいはスポーツ普及の「現場」を担っている人びとの考えは、どう反映すべきだろうか?


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