サッカー日誌 / 2013年11月05日


ザック・ジャパンの現在地(下)


ファウルで守るな!

セルビア  2対0 日本(10月11日=NHK-BS1)
ベラルーシ 1対0 日本(10月15日=日本テレビ)

★今野と長谷部に警告
 日本代表の東欧遠征第2戦、ベラルーシとの試合の前半なかばに、ディフェンダーの今野泰幸とボランチの長谷部誠が、立て続けにイエローカードをもらった。
 「ファウルで守るなよ!」というのが、テレビを見ていた、ぼくの感想である。
 どちらも左サイドの長友佑都が攻めあがって日本が押しこんでいるとき、ベラルーシがボールを奪って逆襲に出ようとしたのを止めた場面だった。
 このままでは、ゴールまで一直線にカウンターの速攻を食うおそれがある。それで逆襲の起点を止めたのである。しかし、それがファウルだった。
 前半26分には、クリアのボールを受けたベラルーシの選手の背中に今野が後ろからぶつかった。
 スローの再生映像で見たところでは、身体全体で相手の背中に当たりながら、左手でも押し倒したようだった。

★逆襲を止める反則
 その2分後には、ボールを奪ってドリブルで逆襲に出ようとした相手を、長谷部が後から右手で相手の右肩をつかんで引き倒した。
 決定的なピンチになりそうな場面を止めようとして反則をしてしまうことは時にはある。しかし意図的な反則で止めるのは、いいことではない。
 今野の反則の場面で、テレビの解説をしていた城彰二が「カウンターを受けるところなので(反則で守ったのは)正解だと思いますね」と話した。
 少年たちも見ているテレビ放送で、良くないプレーを奨励しかねない発言をしたのは適当でない。
 そこで鈴木健アナウンサーがフォローした。
 「強くいけということですね。ファウルをしろというわけではなくて……」
 さすが高校サッカーの日本テレビである。

★正しく守る練習を
 この試合の場合は逆襲を反則で止めたことに、もう一つ別の問題がある。
 東欧遠征の2試合の目的は翌年のワールドカップのための強化である。タイトルに関係のない、いわば練習のための親善試合である。
 そういう試合で、反則で守ることに何の意味があるだろうか?
 ピンチを招いてでも、正しい方法で守る経験をつんだほうがいい。
 本番のワールドカップでは、中盤の反則からのフリーキックで失点する可能性はかなり高い。
 また警告の累積は、主力選手を大事な試合で使えなくする。
 10月の東欧遠征は、ザック・ジャパンの抱えるいろいろな問題を見せてくれた。

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