サッカー日誌 / 2013年11月04日


ザック・ジャパンの現在地(中)


なぜ柿谷曜一朗を使うのか?

セルビア  2対0 日本(10月11日=NHKテレビBS1)
ベラルーシ 1対0 日本(10月15日=日本テレビ)

★トップの人材は豊富
 ザッケローニ監督は10月の東欧遠征2試合を、これまでとほとんど同じ顔ぶれで戦ったが、ワントップだけは23歳の柿谷曜一朗(セレッソ大阪)を起用した。
 本田圭佑をトップ下に、香川真司、岡崎慎司を両翼に配した布陣にすると、これまでのメンバーには適当なワントップの人材がいない。そこで、このポジションだけ新戦力を使ったのだろう。
 見渡すとトップの人材はたくさんいる。
 Jリーグのクラブからは齋藤学(横浜FM)も東欧遠征に加えられている。ほかに川又堅碁(新潟)、大迫勇也(鹿島)、工藤壮人(柏)などもいる。
 欧州組の乾貴士とハーフナー・マイクも招集されている。
 それぞれ優れた技術ときわだった特徴の持ち主である。

★本田圭佑との相性
 トップ候補の豊富な人材のなかから、柿谷が選ばれた理由を考えてみた。
 ザッケローニ監督が今回の東欧遠征で試みようとした攻めに、柿谷のスタイルが向いていたのではないか?
 中盤でパスをつないでキープし、チャンスを作って、相手の守備ラインの背後をスルーパスで突く。
 そのためには、走り出て、そのパスを受けるストライカーが必要である。
 タイミングの判断がよく、相手を振り切るダッシュの速さがあり、走りながらすばやくボールを受けて捌くテクニックがいる。
 柿谷は、そういう資質ですぐれている。それを生かそうとしたのではないか。
 本田圭佑が出すパスとの相性がよさそうである。

 ★一つの選択肢
 東欧での2試合で、柿谷が走り出ていいパスを受けたチャンスが、テレビで見た限り、それぞれ1度はあった。しかしいずれもゴールキーパーに防がれた。
 スルーパスに合わせて走り出るのをゴールキーパーは見ている。一対一だから、できるだけ前へ出てシュートの角度を狭めて防ごうとする。ディフェンダーも追いかけて詰めてくる。したがって、狭いスペースで相手をかわしてシュートできる技術も必要である。
 柿谷もそういう技術を持っているだろう。しかし欧州の守りに対する経験は少ない。今回は大きく、速く、強い守りに対する攻めを経験する機会になった。
 ただし、来年のワールドカップで柿谷が起用されるとは限らない。
 あと半年以上。この時点でザッケローニ監督が考えているのは選択肢を増やすことである。柿谷は、その選択肢の一つである。

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