サッカー日誌 / 2012年12月15日


トヨタ・クラブW杯観戦記(3)


森保サンフレッチェのスタイル

5~6位決定戦
サンフレッチェ広島 3-2 蔚山現代
(12月12日 豊田スタジアム=第1試合)

★アジア・チャンピオンへの挑戦
 クラブ・ワールドカップでは、準々決勝敗退チーム同士で5~6位決定戦が行われる。
 ベスト4を逃して落ち込んでいるチームにとって意欲のわきにくい試合だろう。5位争いに大きな意味があるとは思えない。
 しかし、今回はサンフレッチェ広島には、意味のあるカードになった。アジア・チャンピオンへの挑戦になったからである。
 サンフレッチェは、来年(2013年)はアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)に出場する。ACL優勝チームとの対戦は、かっこうの腕試しである。
 森保一(もりやす・はじめ)監督は「サンフレッチェは、一つのスタイルを持つチームになったと思っています」と自分のチームの戦い方に自信を深めている。
 そのスタイルが、アジアのトップクラスに対して通用するかどうかをテストする機会である。

★森保監督の戦い方
 韓国のサッカーは、走り回り、激しく当たり、大きく蹴りこんで攻める。それが伝統的スタイルである。蔚山現代も、かつてのチームほどではないにしても、その伝統を受け継いでいる。
 そういう韓国スタイルに対して、パスをつないでキープするサンフレッチェのスタイルで対抗できるかどうか? それが一つの見どころだった。
 この試合に関する限り、サンフレッチェのサッカーは韓国相手に通用した。
 ボールポゼッションは、広島が54%と上回った。
 シュート数は蔚山が19本と多かったが、そのうちゴールの枠に飛んだのは7本。37%弱である。広島は11本のシュートのうち6本が枠内。半分以上が正確にゴールを狙っている。
 この数字は、攻め急がないで確実にチャンスをうかがう戦い方の成功を示している。

★佐藤寿人が2得点
 サンフレッチェは前半17分にオウンゴールで失点した。ディフェンダーとゴールキーパーの連携ミスによるもので、いわば偶発事故である。
 しかし、リードされても、自分たちのスタイルでプレーを続け、前半のうちにフリーキックを生かして同点にし、後半に佐藤寿人が2ゴールを追加した。佐藤をトップに張り付かせている戦い方が実を結んだ。
 このまま3対1で終われば良かったのだが、試合終了の直前に蔚山に1点を許して1点差になった。
 このときの森保監督の用兵は解せなかった。
 追加時間4分が終わろうとしているタイミングで選手交代をした。2点差だから「時間稼ぎ」を狙ったとは思えない。
 その直後に蔚山がフリーキックからの放り込みでゴールをあげた。選手交代のために守りの集中力が途切れたのではないかと思った。

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