サッカー日誌 / 2011年04月14日


大震災、スポーツの対応(上)


迅速、適切な判断を評価する
(東北太平洋岸震災から1ヵ月)

◇Jリーグの中断、延期は迅速
 東北太平洋岸震災が起きてから1ヵ月たった時点で、この記事を書いている。被害に心を痛めている間に、桜は満開になり散り始めた。あっという間に1ヵ月過ぎた気がする。
 震災直後のサッカー界の対応は良かった。とくにJリーグの判断は迅速だった。
 地震が起きたのは3月11日。Jリーグはすでに開幕して第1節を終えており、震災の翌日(12日)と翌々日(13日)が第2節だった。それを、すぐに全試合中止と決めた。被災地の仙台での試合が予定されており、新幹線が停まって移動が足止めされるという事情もあったが、決断が早かったのはいい。
 地震発生から4日目の14日には3月中の全試合の中止を決めた。
 プロ野球ではセ・リーグとパ・リーグの開幕延期の決定が食い違い、とくにセは強引に開幕しようとして選手会とも対立した。それに比べて、Jリーグの判断は適切だった。

◇野球との家風の違い
 迅速な判断がいつでも適切であるとは限らない。じっくり考えて判断するのがよいときもある。しかし、突然の災害のような場合には緊急の判断が必要である。即座の判断は適切でないこともあるかもしれないが、中央ですばやく方針を示して末端の判断に役立てたほうが混乱は少ない。もちろん、とっさの判断が適切でなかった場合には、状況に応じて、それぞれの現場で変更しなければならない。そういう柔軟さも必要である。
 サッカーはセ・パに分かれているプロ野球と違って組織が一つである。プロとアマも同じサッカー協会に属している。
 また、サッカーは17条の競技規則でかなり大まかに競技方法を決めているが、野球は細かい競技規則に従ってプレーする。そういう「スポーツの家風」の違いも。震災への対応の違いに影響したかもしれない、。

◇協会はちょっと迷走したが……
 Jリーグに比べると、日本サッカー協会(JFA)は、ちょっと迷走した。
 震災2日後の13日に、JFAの田嶋幸三専務理事は。23日と29日に予定されていた日本代表の国際試合2試合を、いまこそ「東京でやりたい」と言明した。しかし、東京開催は不可能になり、15日には2試合とも中止を決め、日本代表による「復興支援試合」を大阪・長居競技場で行うと発表した。
 「復興支援試合」の相手チームとしては、もともと予定されていたニュージーランドに交渉していたが、地震を恐れて断られ、Jリーグ選抜との対戦にすることを17日に発表した。
 こういうふうに書いていくと、日本サッカー協会が右往左往しているように見える。そういう批判もあるようだ。しかし、状況の変化にしたがって、次つぎに柔軟に対策を打ち出したものとして、ぼくはサッカー協会の対応も評価したい。




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