サッカー日誌 / 2009年01月22日


後退守備を攻め崩せない2つの理由


アジアカップ予選A組
日本 2対2 イエメン (1月21日・熊本)

★コーナーキックならYes, we can !
 熊本で行われたアジアカップ予選A組の第1戦は、米国のオバマ大統領就任式と同じ日だった。試合が終わった後で、ぼくは記者仲間に「Yes, we can,when we have cornerkicks だな」と冗談を言った。「われわれは、やれるぞ!」は、大統領選挙のときのオバマ陣営のスローガンである。日本代表はイエメンに2対1で勝ったが、日本の2点はどちらもコーナーキックからだった。「日本もやれるぞ。コーナーキックがあればな」というわけである。
 シュート数は27本対1本だった。したがって守備を固める相手を日本は押しまくりながら攻め崩せない。前半7分にショートコーナーから田中達也が食い込んで送球したのを岡崎慎司に合わせて早ばやと先取点を上げたが、後半2分に同点にされ、引き分けにされても仕方がないくらい攻めあぐんだ。後半21分の決勝点はコーナーキックから2つのヘディングをつないだものである。

★イエメンは徹底的な守備固め
 岡田監督のめざす日本代表チームの攻めのスタイルは、速いパスとサイドへの展開である。動きながら速いパスをつないで相手を引き寄せ、サイドへの攻め上がりにボールを出してゴール前へクロスをあげる。この日も、そういう攻めだった。
 イエメンは徹底的な後退守備だった。ペナルティエリアへ、ほとんど8人が下がっている。日本が速いパスをつないでも引き出されないし、その中に切り込んでも人数の網でからめとる。
 前へ出て来ないから、日本の中盤プレーヤーは自由にボールを扱える。そこでペナルティエリアの外から25~30㍍のシュートを中村憲剛などが試みた。ミドルシュートは、入らなくても相手の守りを引き出すのに役に立つはずが、それでもイエメンは前に出てこない。遠くからのシュートが、たまたま入れば仕方がないという態度である。

★中盤の配置を変えてみたが・・・
 ゴール前の厚い守備を攻め破れない原因が二つあった。一つは攻めに緩急がないことである。速いパスを1本調子でつないでも相手は揺さぶれない。外側でゆっくりつなぎ、チャンスを作ったらすばやく攻め込む。そういう工夫がない。
 もう一つは、若い選手が得意の足技で突破しようとして守備網に引っ掛かったことである。19歳の香川真司がその代表格だった。個人の足技による突破も必要だが、3人がかり4人がかりで、つきまとってくるのを、かわしきるのは難しい。
 後半立ち上がりに同点にされて、岡田監督は中盤の配置を並べ変えた。前半は中村憲剛と青木剛を守備的に横に並べたボックス型だったのを、憲剛を前に出してダイヤモンド型にしたのである。「あまり策は打ちたくなかったのだが、選手たちが自分たちで対応できないようだったから指示を出した」という岡田監督の話だった。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
     

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.