サッカー日誌 / 2009年01月06日


ガンバ大阪、過密日程をしのいだ優勝


1月1日、天皇杯決勝(東京・国立競技場)
ガンバ大阪 1対0(延長) 柏レイソル

★両監督の苦心が見どころ
 快晴、おだやかな日和の元日を天皇杯決勝で楽しんだ。延長後半最後の土壇場まで双方無得点、守り合いの試合だったが、両監督の苦心がうかがえて、なかなかの好試合だったと思う。
 ガンバ大阪はトヨタ・クラブ・ワールドカップに引き続く連戦で、選手たちは疲れ果てていた。故障者も多い。西野監督が「野戦病院」といっていたほどだ。運動量にものを言わせて、中盤でプレスをかけながら勝機を求めるという得意の戦法をとれない状況だった。
 柏は逆に、相手の疲労につけこんで運動量で圧倒したいところだった。
 攻めの切り札であるフランサと李忠成を先発メンバーに入れなかったのは「プレスをかけられるメンバー」で前半を戦い、相手を追い込んで先取点を奪おうという石崎監督の狙いだったらしい。

★勝因は西野監督の「がまん」
 結果論ではあるが、ガンバの勝因は西野監督の「がまん」だったのかもしれない。
 前半のシュート数は6対4と柏のほうが攻勢だったが、そこを無失点にしのいだのが、よかった。
 後半、柏の石崎監督が先に勝負に出た。後半開始時の交代でフランサを出し、後半13分に李忠成を出す。フランサからのパスからの組み立てで、柏の攻めに変化が出てきたが32歳のフランサ自身は労働量が少ない。
 西野監督のほうは、メンバーを変えなかった。ただ、同じメンバーの中で、中盤の前のほうにいた遠藤が下がり気味になり、橋本が前に出た。前半は橋本と明神で中盤の守りを固めていたのだが、遠藤自身が引き気味の位置から、攻めを組み立てることを申し出たのだという。後半のシュート数は8対3とガンバが盛り返している。

★延長に入ってから勝負
 西野監督が勝負に出たのは、延長に入ってからである。延長に入るときに播戸を送り出した。その播戸が延長後半、残り4分に決勝点を挙げる。ルーカスからのスルーパスが、遠藤-倉田と繋がり播戸のシュートがこぼれたのを播戸が再度のシュートで決めた。
 終始攻めの軸だった遠藤とルーカス、延長に入ってから繰り出した播戸と倉田が決勝点に絡んでいる。西野監督が狙った筋書き通りになった。
 2008年度の天皇杯は、ガンバ大阪が過密日程をしのいで優勝した大会として記憶されることになるのかもしれない。
 アジアのクラブ選手権をとり、クラブ・ワールドカップの準決勝で、マンチェスター・ユナイテッドとの対戦を経験し、天皇杯を準決勝、決勝ともに延長戦で戦い抜いた。これは西野監督の大きな実績として記録しておくべきだろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
     

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.