殿様商売

ある営業（Aとする）から、材料を支給するから作業してくれ、という依頼があった。
それを請けるかどうか決めるのは経営者の仕事である。
請ける会社もあるだろうが、私はNO。

Aは食い下がったが、イヤなものはイヤだと突っぱねた。


違う営業（Bとする）から、土日指定で依頼があった。
客の休みに合わせてくれ、という事だが、なぜ、私は休まないと決めつけた？
答えはNOである。

Bはグダグダ言っていたが、これも突っぱねた。


さらに、営業（Cとする）から、材料だけ売ってくれと。
これも断った。

Cはいろいろ交渉してきたが、私の決断は変わらない。


そして、A、B、Cが所属する会社から、価格表を出せと依頼があった。
これ、自分が営業の立場なら理解できるが、今の当店のスタイルに合わないので断った。
すると「部下からも聞いているけど、オタクは、ずいぶん殿様商売だよね」と言われた。

殿様商売。結構じゃないか。最高の誉め言葉だ。


そんな私と取引をしないと食いつなげない、自身の弱さを恥じればいい。
私も、貴様達から利益を得ている。
その利益が、貴様達の我儘をきくべきものか、という判断基準になる。
悪いが、微々たる利益で我儘を聞くほど、私は弱くない。

数年後、私が弱って苦しんでいたら、私を罵り笑えばいい。