脱サラして一人親方になりました

脱サラして独立。我が道を行く男の独り言

廃業したらしい

2022年02月04日 | 見習い時代
私が見習いに行っていた会社は、すでに廃業したらしいです。
「らしい」というのは、付き合いが無いからです。
喧嘩別れでは無かった(と思う)ですが、辞めた後、不義理をされたので・・・・
相手にすれば「勝手に辞めたヤツの事なんか知らねえ」だったのかもしれませんが。
まぁ、「不義理をしたつもりは無い」が正解でしょうね。
事務処理とかを滞りなくできる会社では無かったので。
詳しく書くと長くなりますけど、雇用保険、年金という類の話です。

で、廃業についてですけど、経営苦というだけでなく、この業界に多い「継げない」という問題もあったかもしれません。
経営ノウハウを継ぐのであれば、業界を問わずに人材を確保できます。
が、職人業界は「職人である事」が前提になりますので、この業界で「活躍できる人材」が跡継ぎになるしかありません。
例えて言えば、プロ野球の監督ですね。
マネジメントだけならプロ野球の実績が皆無でも良いでしょうけど、選手を束ねるという立場で考えれば、異業種なんて許されません。

私の見習い先は、社長(親方)が昭和1ケタの生まれですので、さすがに引退したでしょう。
(7~8年前は現役でした。これは確かな情報です)
跡継ぎの専務(息子)は、今55~56歳くらいだと思います。
職人としての能力は皆無。親方の英才教育(過保護)があって、木材を真っ直ぐ切る事すらできないボンクラに育ちました。
経営者として教育されていたと思いますが、これは兵隊(社員)がいてこその話です。
この業界は人材不足ですから、雇うほどの人は居ません。
そうなると、仕事を請けても対応できませんから、廃業するしか無いかと思います。

ただ、55歳で無職という事は無いと思うので、看板を降ろしたとしても、違った仕事をしていると思います。
工場は持ち物件でしたので、もしかすると、誰かに貸して賃料を得ているかもしれません。
それだけでも充分かな(余計なお世話ですけど)

今、振り返っても見習うべき点は少ない会社でした。
が「そういう時代だった」と思うべきなのかな。
お世話になった会社ですし、私の技術の基本はここにあるので、悪く言いたく無いですけど、現実は厳しいという事なんですね。

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パワハラ

2022年01月25日 | 見習い時代
パワハラ、モラハラという話を聞くたび、私の見習い時代からサラリーマン時代を思い出します。
当時、当たり前と受け止めていた自分が恐ろしい。

なぜ当たり前だと感じたか?
それは「常識だった」からですね。
蹴られ、殴られ、それでも学ぶことが「美学」として語られていたのです。
「そこまでの覚悟があるのか!」と考えられていたし、今も根強く残っています。

ただ、パワハラを「する側」の立場、その年齢や経験に達すると違いに気づきます。
「そこまでの覚悟があるのか!」という考えもあろうと思いますが、大半が「オレは特別な存在だ」という権力誇示のような気がします。
指導にパワハラ、モラハラは不要です。
これは、ただのイジメなんです。

覚悟であれば、辛い修行が課されるだけ。
「一日中じゃがいもを剥く」という類です。
「機械があるから不要な技術」かもしれませんが、包丁を持つ手先、筋肉、そしてケガをしない為の集中力を養うという「目的」があります。
この目的を理解して指導しているならパワハラでは無いです。
が、これも大半が「オレもやらされた」という、意味を理解しない「負の伝統」だったりします。
(それでも、目的達成できていれば無意味ではありませんが)

「オレの言う事を聞けるか!」という覚悟を試す事も、けっして間違いでは無いと思います。
会社経営で考えれば「大事な顧客」「大事な商品」を扱うのに「信用できない人材」は不要です。
経営者が「信用できると認めるために必要なパワハラ」も肯定せねばならないと思います。

但し、パワハラが「違法なのか」「経営者や上司の人格問題なのか」を考えるために、労基の存在があるべきだと思うのです。
残念ながら、ここの存在が薄いです。
(昔、不当に給料未払いを受けた同僚社員が労基に駆け込んだことがありましたが、意味の分からない説得をされただけで、何も動いてくれませんでした)

先日、取引先の社員がパワハラを理由に退職しましたが、その社員の言い分を聞いて情けなくなりました。
その社員が言うには「呼び捨てが我慢できなかった」そうですよ。
「〇〇君(さん)と呼ぶべきだ」
呼び捨てがパワハラに当たるそうです。

と、ネットで呼び捨てを調べると、パワハラと考えるべきという意見も多いですね。
ジェネレーションギャップ? これも否定しませんが、、、、
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低賃金

2021年11月14日 | 見習い時代
「職人の見習いは給料が低い!」
こんなイメージがあると思いますし、事実だと思います。
これが職人業界の若手不足を招いている要因にもなっていると思います。

「見習い時代に習得した技術があれば、将来、高収入になる」と思っている人もいるでしょう。
だったら良いと思いますが、雇われているうちは、高収入は見込めないと思ったほうが良さそうです。
私の見習い先は、熟練の職人でさえ残念な収入でした。。。。
もちろん、経営者次第という部分はありますが、「日当(にっとう)=日給」という計算概念が強いので、それほど大きな差は無いと思うのです。

また、私の知る限りですが、職人業界には「経済感覚が薄い人が多い」と感じます。
日当×稼働日数で得られる報酬が「低い」と気づいていない、むしろ「高い」と思っている人すらいるのです。
これは、数字だけ見れば平均年収を超えているからかもしれません。
が、「男性40代の正社員」という、自分と同じカテゴリーと比較して低かったり、低くないとしても「稼働日数が多い」というだけだったり、社会保障の差だったりと、どう見ても高くないのですが、、、、

で、報酬の話をすると「カネの話は下品だ」と避けてしまう人も多いです。
他人の懐を探るのは下品ですが、自身の価値と相応かどうかを考えるのは下品では無いと思いますけど。

建築系の職人に限らないかと思いますが「労働対価」というものに、もっと大きな価値を求めて良いと思います。
苦労して身につけた技を安売りする必要なんか無いのです!!!

と、頭では分かっていても「じゃぁ、どうすりゃいいのよ?」と言われると・・・・・
雇用されている側にできる努力は少ないです。

ですから、経営者が利益を出せる経営を目指すしかないのです。
数円でも多く払う努力です。
そうなると、経営者は職人である必要は無く「経営のプロ」である必要がありますけど・・・・・

職人って、職人にしか従わないのですよね。

だから、棟梁や親方が経営セミナーに通っていても、「自分たちの為に通っている」という目で見てください。
「カネ儲けばっかり学んでどうするんだ!」と怒らないでください。
不得手を学ぼうとしているのですよ。

ただ・・・・・・おカネを払って学ぶセミナーって、薄いんですよね。
学んだつもりになるだけ。。。。。

難しい。
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目的意識

2021年02月11日 | 見習い時代
桑田コーチの記事を読むたび、目的意識に気づかされます。
何のための練習なのか。
ここには「首脳陣にアピールする為」も含まれますので、一見、無駄に思える練習も重要かもしれません。

まぁ、桑田コーチ以外も、同じような指導をしていらしたかもしれません。
ここから先は「結果が出るか」になります。

私が見習い時代、いや、私に限らないかもしれませんが「黙って3年」という定義がありました。
文句言わずに3年続ける。
結果が出るかどうかではなく「続ける」という事が重要だと。

敢えて悪く書きますが、専務(親方の息子)は、私が見習いに入った段階で6~7年目だったと思います。
「黙って3年」の時期は終わり、結果が出ていて当たり前の年数です。
が、残念ながら技術は素人以下(不器用だったので、器用な素人の日曜大工以下です)
そりゃそうです。何も教わらず、経験していないのですからね。
専務が悪いのではありません。親方が悪いのです。
周囲から「ボンクラ」と陰口を叩かれていましたが、これも親方の責任です。

親方は、息子をどのように育てたかったのか。
おそらく「危険な事はやらせたくない」「苦労させたくない」という考えはあったのだと思います。
ただ、その先の「苦労した結果」は見えなかったのでしょう。
いつまでも自分の庇護下にいるものだと思っていたのかもしれません。

そんな親に育てられれば、息子も疑問を感じないかもしれません。
(多少は気づいていたと思いますけどね)
体力的に厳しい仕事は私、難しい仕事はベテランがこなしますので、自分は高みの見物でOKだと思っていたのかもしれません。

結果、、、、、、どうやら廃業するようです(噂話なので、真に受ける事はできません)
「廃業する為」なんて目的意識は無いですが、客観的に見れば、廃業して当たり前です。

私が残っていたら? もっと早く廃業したと思いますよ(笑)
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見て盗め

2021年02月10日 | 見習い時代
見習い時代「見て盗め」という指導で育ちましたが、今、振り返ると「盗むほどのモノが無い人」ほど、見て盗めを多用していたように思います。
(私の周辺に限って、ですよ)
作業の「目的」を理解していない。頭を使って「工夫した」仕事をしていない。
作業の説明、指導できない事を「見て盗め」で誤魔化したのだと思うのです。

達者な技術を持った職人さんは、作業1つにも「目的」があります。
「何で、こういう作業をするのか?」と、全てに意味がある事を知っています。
これが指導に繋がります。

私の親方は、ハッキリ言って指導力はゼロでした。
なにしろ、仕事が下手で雑なんです。クレームも多かったのです。
(私が見習いに行く頃は、滅多に現場にでなくなっていましたが)
だから盗むほどのモノが無いのですが、私には「見て盗め」を力説するのです。
(そう言えば「一生勉強」も口癖でした。これは改めて)

名人は、その名の通り名人で、指導力も高かったです。
私が「スキマ無く仕上げた」ものを、名人は「器用だねぇ。でもゼロ点」と酷評。
理由は家の狂いを考えていないから。
(今なら理解できます)

次に、スキマを開けた仕上げを見た親方は「こんなにスキマがあったら、みっともない」と。
それを名人が「スキマじゃなく余裕。人間、余裕が無いとストレスで死ぬんだ。家も同じだ」と。
(名人には誰も逆らえないので、親方も黙りました)

細かい技術的な説明もありましたが、名人は「考え方」の指導が多かったです。
お陰で工夫する能力が鍛えられました。
多分だけど、名人はモテただろうなぁ。
(蟹江 敬三さん似の、渋い顔でしたし)
もっと盗みたかったなぁ。

名人は「見て盗め」は、滅多に言わなかったです。
「ま、ちょっと見てな(笑)」と、私が苦戦した物を簡単にやっつける事は多かったです。
作業しながら「ここで、木に笑われる(苦戦する)」とポイントを教えてくれました。

親方は、刃物の砥ぎでさえ「ここで砥げば」だけ。
(~れば、は方言らしい。疑問形ではなく、「~やりなさい」に近い意味らしい)
今、何をしているという説明すら無いから、学びようが無い(笑)

これでも経営できていたのですから、経営者としての親方は盗むモノがたくさんあったのかもしれません。

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