大沢家住宅。埼玉県川越市元町1-15。1984(昭和59)年5月4日
一番街商店街(蔵造りの町並み)の札の辻交差点の近くにある蔵造りの家。川越の蔵造り商家というと、黒い壁と重々しい瓦屋根、金庫の扉のような観音開きの窓、というのを連想するわけだが、大沢家住宅はちょっと蔵造りには見えない。造られた年代が関係しているらしい。
『ウィキペディア』によると、「寛政4年(1792年)に近江国出身で呉服太物の近江屋を営んでいた豪商・西村半右衛門が建てた蔵造りの店舗建築」で「明治26年(1893年)の川越大火の焼失を免れた川越最古の蔵造りで、現存する関東地方最古の蔵造り」である。
一番街に並ぶ蔵造りの家は、明治26年の川越大火の後に、「小松屋」(大沢家)が焼けなかったのでそれに倣って蔵造りで建てたものだ。つまり大沢家住宅は川越では最重要な商家の建物といっていい。
建物の構造は「間口6間、奥行4間半。切妻造り平入り、桟瓦葺き。川越の重厚な蔵造りの中ではシンプルな町屋形式。総欅作りだが前面の人見の柱のみ松になっている(客を待つの意味)。1階の前面は下屋庇を出し、格子戸や土戸があり土間には防火用の用心戸まで備える。2階の前面は漆喰で塗り固めた土格子(どごうし)を一番外側に、漆喰戸、木戸、障子と三重の窓になっている」。
また「昭和46年(1971年)に国の重要文化財の指定を受け、また、平成元年(1989年)より5年間を費やし大規模な修理が行なわれ、創建当時の姿に甦った」ということだ。上の写真は復元工事をする前の姿。
| Trackback ( 0 )
|
|