喫茶アッセ／日本橋堀留町1丁目

喫茶アッセ。中央区日本橋堀留町1-7。1987（昭和62）年5月24日

人形町通りの堀留町交差点の一つ南の横町を南西に入った、裏通りとの角にあった喫茶店。昭和初期に建てられたと思われるモルタル壁の看板建築だ。建物の角、上部に「宮田商店」の文字が残っている。昭和8年の火保図に「宮田」とあるから、なんの商売だったのか判らないが、宮田商店として建てられたのだろう。
昭和30年頃の火保図では「橋本商店、みちくさキッサ」となっている。その喫茶店が続いているのかは分からないが、建て替わったビルは「橋本ビル」というから、橋本商店がオーナーなのだろう。アッセは今もそのビルの地下で営業中である。5階建ての橋本ビルは1989年9月に建ったから、写真の建物は撮影後じきに取り壊されたらしい。

写真左には看板建築の四軒長屋がある。写真では居酒屋の双葉、フジタ工業（建替えの現場事務所？）、弁当・サンドイッチの店。昭和30年頃の火保図では「正木油店、橘豆腐店、古森清吉ハキモノ、板倉輪業」で、この中には戦前からの店もあったのだろう。
現在は1989年10月築の7階地下1階建ての「八光ビル」に建て替わっている。