ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




電話線専用橋のレンガ小屋。中央区本石町3-1。1985(昭和60)年12月31日

外堀通りの日本銀行新館の向かい側にあった正体不明のレンガ小屋だったが、『東京路上細見2』(林順信著、平凡社、1987年、1900円)にこの物件が述べられていた。工事中の新常盤橋の仮設橋から見た光景に「電話線専用橋六号線」を挙げた後、次の記述があるので、引用する。

(外堀通りを新常盤橋から旧常盤橋へ)少し行くと右手に明治時代さながらの赤レンガ積みの小さな箱小屋がある。人の背丈ほどの高さに色あせた青色の三角屋根を葺き、そう大きくはないが頑丈な観音開きの鉄の扉がついている。よく見ると〶マークがある。うしろを調べると、さっき見えた電話線専用橋があった。おそらく中継所か何かであろう。それにしても、こんな古めかしいものが現在でも活用されていようとは思わなかった。

活用はされていないように見える。小屋は歩道のすぐ脇にあり、河岸からは10数メートル離れている。電話線は小屋から地下に入ったのだろう。専用橋を日銀の方へ延長すると本町通りへつながるが、あるいは架橋した場所と関係するのかもしれない。本町通りは日銀新館を建てるときに新館の北に付け替えられたので、今は専用橋を延長しても日銀新館に突き当たってしまう。
現在、小屋は跡形もなく、「中央区立本石町公園」となっている。ベンチがいくつか置かれているだけでほとんどただの原っぱ。レンガ小屋があったのは公園の隅になる場所で、邪魔になるわけでもなく、残しておけばそんな公園でも名所になったと思うのだが。

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