ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



松屋東別館。中央区銀座3-7
1987(昭和62)年4月29日

銀座の松屋デパートの裏の駐車場のさらに裏に建っている古いビル。『震災復興〈大銀座〉の街並みから―清水組写真資料―』(銀座文化史学会編集、秦川堂書店、平成7年、2000円)という本に載っているが、それによると日本酸素株式会社が本社として建てたビルで、昭和2年に竣工している。本の副題にあるように、清水組の施工である。
日本酸素は山武商会の山口武彦が明治43年10月に創業した。山口と姻戚関係にあった、日銀副総裁高橋是清が設立に参画しているという。現在では「大陽日酸素」という会社になっていて、産業ガスのトップメーカーということだ。戦前の火保図(昭和7-11年)では「銀三ビル」と記載されている。日本酸素は昭和33年春に港区西新橋に本社を移転した。
その後のビルは、地図で追っていくと、昭和30年代の火保図では「平和相互銀行」。昭和37年及び昭和44年では「大丸興業KK東京支店」。松屋が取得するのはそれ以降と思われるが、松屋が他の会社に貸していたということもありえる。

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コメント
 
 
 
そっけないビル (グズグズ)
2012-07-08 19:01:27
百貨店が華やかなぶん裏方の建物のそっけなさが印象的ですね。上野松坂屋の別館を思い出しました。
 
 
 
>グズグズ様 (流一)
2012-07-09 16:42:53
銀座に残っている震災復興時のビルはすっかり減ってしまって、今や貴重な建物かとは思いますが、確かに「そっけない」というか地味というか、あまり魅力が感じられません。外観は竣工時からほとんど変わっていないはずです。本文で出した本にはなかなか素敵なビルが見られるのですが、どうせ残るのならそういうビルが、と余計なことを考えてしまいます。
 
 
 
このビルもなくなりました (ごんすけ)
2024-02-08 18:05:59
こちらのビルも、解体され、あらたにタワー式の駐車場に生まれ変わり中です。
 
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