ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




伊勢五本店。台東区谷中4-2。1987(昭和62)年6月

三崎坂(さんさきざか)を上りきった辺りにある酒屋。2006年5月に店舗は千駄木に移ってしまい谷中の家は倉庫として使われている。伊勢五は伊勢屋五右衛門が宝永3年(1703年)に開業してすでに300年になるという古い店だ。『谷中スケッチブック』(森まゆみ著、ちくま文庫、1994年)に著者が店主の篠田氏(9代目)の話しを記録している。それによると、写真の店は三崎坂を拡幅した昭和11年に明治の建物を改築したもの。氏が子供のころは前面が横に引く戸ではなく、上に上げる戸だった(改築前の家のことを言っているのだろうか?)。明治のころはキッコーマンや野田醤油とか、製造元から醤油を買って『若緑』という伊勢五のブランド名を木版で刷ったラベル貼って売った。酒は昔からヤマ五のマークだったという。
今はビル(伊勢五マンション、1989年2月竣工)に替わった外壁が煉瓦の蔵は「大震災でもびくともしなかった」という篠田夫人の話が『下町残照』(村岡秀男、毎日新聞社、1988年)にある。



宮川表具師。谷中4-2。1987(昭和62)年6月

伊勢五本店の並び。右から永久寺の住居、宮川表具師・松本機械彫刻所、伊勢五の蔵、伊勢五本店、尾城商店。尾城商店の看板建築の家は野々村ビル(1989年1月竣工)というマンションに替わっている。

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