ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





旧小松川閘門
江戸川区小松川1-1
2009(平成21)年4月15日

荒川と旧中川が合流するところに「荒川ロックゲート」造られた。そのすぐ北に両川に挟まれた丘のような「大島小松川公園 風の広場」という公園があり、そこに「旧小松川閘門」が半ば埋められた姿で残されている。残っているのは旧中川側の門のほう。
風の広場は人工的に盛られたもので、スーパー堤防としてか、出水したときの避難場所になるように造られたものだ。都立大島小松川公園は1975(昭和50)年に防災市街地再開発事業が決定し、1997(平成9)年の開園だが、風の広場は1992(平成4)年に解放されている。閘門が埋められたのはその前年。

荒川放水路(現・荒川)の開削工事に伴い、水位の異なる旧中川・小名木川と荒川放水路の舟運のために建設された閘門(こうもん)。小松川閘門が造られる以前に、すぐ南に「小名木川(おなぎがわ)閘門」(荒川ロックゲートの場所)が造られている。小名木川閘門は1926(昭和元)年の竣工。その頃には旧中川の西側(現江東区・墨田区)が工業地帯として急激に発展してきて、船の通航が激増していた。小名木川閘門だけでは捌けないので、小松川閘門が追加で造られた。1927年4月着工、1930(昭和5)年3月竣工である。
また、荒川の対岸には「船堀閘門」(1930年竣工)が小松川閘門と同様の仕様で造られた。

江戸川区>小松川1丁目の街並み』の1968(昭和43)9月撮影の写真では、小松川閘門と小名木川閘門の両方とも門が1基しか写っていない。小松川閘門の荒川側の口はすでにないので、廃止されている。小名木川閘門は昭和39年に水門に改修されたので、写っているのはそれだ。
『グーグル古地図>昭和38年航空写真』には小松川閘門は写っているので、小松川閘門が廃止されたのは昭和40年頃かと思われる。
2018年10月に東京都都市整備局によって東京都選定歴史的建造物に選定された。江戸川区では初である。これを機に掘り出して全部が見られるようにしたらどうだろう。



小松川閘門。『土木建築工事画報 昭和6年8月号』より。

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