ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




和泉町ポンプ所。千代田区神田和泉町2。1989(平成元)年10月8日

和泉町ポンプ所は東京都下水道局の施設。三河島処理区のポンプ所の一つなので、ここを通る下水は三河島水再生センターへ流れていくのだろう。「下水処理場」という名前で憶えていたが、今は「水再生センター」というようになったらしい。都での呼び方かもしれない。下水管は自然に水を流すために傾斜がついている。ただ地下に埋めればいいというものではなく、その深さを計算して設置しているわけだ。ある程度の深さになったら水を地表近くまで汲み上げて、その先の下水管を引く工事を容易にする。それがポンプ所だ。
和泉町ポンプ所は1922(大正11)年8月に開設した。ビルはRC造、2階建地下1階。今ではすっかり珍しくなった大正期の建物だ。ビルの後ろに寄棟屋根の平屋が付いている。そこが機械室と思われる。
大正11年3月には「三河島汚水処分場」が完成している。工事は大正3年から始められているから、和泉町ポンプ所と三河島をつなぐ下水管の工事も並行して進めたとすれば、ポンプ所開設とともに下水を三河島に送り出したと思われる。
写真では壁にひび割れのような白い線が見える。壁はレンガのように見えるタイル貼りで、その傷んだ部分にペンキで線を入れたものらしい。撮影後、いつの頃(2003年以前)か知らないがタイルは貼り直されて、だいぶ明るい色に変わった。



和泉町ポンプ所。1988(昭和63)年4月10日

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