ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




日本銀行本店別館(2号館)。中央区日本橋本石町2。1985(昭和60)年8月4日


日本銀行本店別館(3号館)。1986(昭和61)年2月16日

日銀本店別館は1938(昭和13)年に完成した。本館の増築部分で、完成時は本館を半分取り囲むようなL字型平面で、階数も5階建てなので、増築と言っても本館よりは床面積ではだいぶ広かったのではないかと思う。設計は長野宇平治。鉄筋鉄骨コンクリート造5階・地下1階建。外観のデザインは辰野金吾が設計した本館にほぼ忠実に倣っている。
別館の工事の内容については『日本銀行>広報紙「日銀」>2011冬28号「昭和期の本店増築と本館改修」』に分かりやすくまとめられているので、以下、その内容の一部を紹介する。
増築が決定されたのは1927(昭和2)年8月のことで、当時の日銀総裁は井上準之助で、二度目(昭和2年5月就任-昭和3年6月退任)。井上は1932(昭和7)年2月9日に小沼正に暗殺された。この血盟団事件のもう一人の犠牲者、團琢磨(三井合名理事長)の暗殺現場が、別館向かいの三井本館である。
増築は1~3期に分けられ、各工期で完成した建物を1~3号館と呼ぶ。1号館は1929(昭和4)年に起工、昭和7年に完成した。本館の裏に建てられた。新館建設のため、1970(昭和45)年と思われるが、取り壊された。その解体工事が大事で、発破用の火薬8トンを使ったというから乱暴な話だ。新館をもっと高層にして1号館を残せなかったかと思う。
2号館は別館の北側、中央の玄関を含む部分で、1935(昭和10)年の完成。別館南側の3号館は昭和13年に完成した。


日本銀行本店別館。1986(昭和61)年2月16日

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