JR金町駅南口から国道6号(水戸街道)の間に広がる商店街を「ベルシティかなまち」という。以前は「すずらん通り(すずらん商店会)」と言っていた。すずらん会が発足したのは1956(昭和31)年。当時は駅の南側に住宅地が広がり人口も多いのに比べて、北口は「大東紡績金町工場(金町モスリン工場)」と農地が目立ったくらいだったのかもしれない。金町駅は南口しか改札口がなかった。
従ってすずらん商店会は繁盛してきたのだが、しだいに北口も市街化が進み、1967(昭和42)年に金町駅北口が開設、1968年に金町駅前団地が建設され、北口の商店街も発展してくると南口の商店街は衰退してくる。その対策として1980(昭和55)年に商店街のメインストリートにアーケードをかけ、駅前の入り口に「BELL-CITY」と書いたアーチの看板ゲートを作った。入り口から入ると、通りは南から東へ向きを変えて国道6号に出て終わる。ベルシティと改称したのはこの時だろう。しかし残念ながら効果はほとんどなかったようだ。
現在は金町6-2の再開発により、2009年6月に「ヴィナシス金町」という高層マンションが建ち、ベルシティ商店街は半分がなくなった。ヴィナシスとベルシティの間には広い道路が通されたから完全に分断されたと言っていい。最近までベルシティの通りにあった「ベルシティかなまち/Bell City Kanamachi」の街灯は撤去された。すずらん商店会は解散したのだろうか。