ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



相川ゴム工業所。墨田区墨田3-12
2019(平成31)年3月2日

銀月など、4軒のカフェーが入っていた長屋の向かいの長屋。古い航空写真を見ると、元は四軒長屋だったらしいが、両端が建て替わったようで、今は二軒長屋になってしまっている。その長屋に、「相川ゴム工業所」が入っている。
『玉の井 色街の社会と暮らし』(日比恆明著、自由国民社、2010年、2800円)の地図によると、この長屋に「ぎおん」と「第二福助」というカフェーがあった。赤線廃止の10年後の1968年の地図では「ぎおん/酒場/加藤」という記載。1978年の地図では「竹花工業所/相川ゴム工業所」。
場所は2棟の長屋に挟まれた行き止まりの路地だから、本来、他者は入ってはいけない路地である。ただこの路地にはカフェーの遺構であるタイル張りの円柱があり、住人が知らない人を目にしても、その目的が分かる。「変なものが好きだねえ」くらいに思って見逃してもらえるわけだ。

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