ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



長栄商店。文京区大塚5-18
2006(平成18)年12月6日

不忍通りの富士見坂の坂下通り交差点から坂下通りに入ったところ。左奥のイチョウは不忍通りの並木。写真右の民家は戦前に建てられたものと思われる。写真では二軒長屋にも見えるが、一戸建ての家が接して建てられている。今は右の家が取り壊された。
写真左の家は「長栄商店」というペットショップ。『 Facebook>ご近所 茗荷谷界隈>長栄商店』の投稿記事によると、「創業は110年前、大本は鷹匠。焼夷弾の直撃を受けたが幸にも不発弾だった。その後、一時は野鳥を扱い、さらにインコや文鳥を扱う小鳥屋さんに転身。現在は、都内の小・中学校で飼育する鶏やウサギ、金魚、メダカ、解剖用のカエル、実験用マウス、教材用のイモリなどを扱う」という。ペットショップとは言えないがなんと言えばいいのか分からない。建物は戦後に建て替えたもののようだ。1986年の地図では「松本鳥獣店」で、「長栄」は屋号だろうか。
また『ご近所 茗荷谷界隈』には「会津八一の歌集「山光集」に「大正14年8月23日、友人山口剛を誘って護国寺の前を通り、富士見坂を上って小鳥屋で小鳥を買うところが歌われているとして、「とりかごをてにとりさげてともとわがとりかひにゆくおおほつかなかまち」と「ふみあまたともはよめれどおほつかのとりやにたてばわらはべのごと」が紹介されている。
文京区教育委員会が設置した富士見坂の説明板に「…大正13年(1924)10月に、旧大塚仲町(現・大塚三丁目交差点)から護国寺前まで電車が開通した時、整備されて坂はゆるやかになり、道幅も広くなった。…」として、「とりかごを」の歌が記されている。
漢字にしてみると「鳥籠を手に取り下げて友と我が鳥買いに行く大塚仲町」「文あまた友は読めれど大塚の鳥屋に立てば童のごと」だろうか。



音羽自動車内装シート製作所、玉木屋食料品店。大塚5-18。2011(平成23)年7月10日

1枚目写真の民家から100m程北へ行ったところ。昔の航空写真を見ると、写っている4軒の家、あるいはそのうちの3軒は、四軒長屋か三軒長屋だったようだ。写真ではそれぞれで改築、改修がなされているが、「音羽自動車内装シート製作所」が元のままで残ったのだろう。今はそれも看板建築風に改修されている。

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