ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




内田祥三邸。港区西麻布4-7。1988(昭和63)年4月17日

広尾ガーデンに新たにつけられた道路を北へ歩いていて港区との境の道路に出たところで出あった洋館だ。1枚しか撮らなかったのが残念。写真右へいくと堀田坂(ほったざか)の上になり、現在は「堀田坂ハウス」(1991年5月築、5階地下2階12戸)という低層の高級賃貸マンションが建つ。洋館は1990年春頃に取り壊されたという(『坂のある町の今昔>北条坂、堀田坂』)。
『日本近代建築総覧』では「内田邸、港区西麻布4-7-6、建築年=昭和2年、構造=RC2階建、設計=内田祥三、施工=島藤某、備考=その後一年一室の割合で完成」。施工者の「某」は名前が判らず「なにがし」の意味。備考の意味は昭和2年から完成までに何年かかかったということだろうか。写真では3階にみえる。『建物紹介 東京都港区』というサイトには「地下1階地上3階、施工:大林組」とある。
東京大学の建物群で有名な内田祥三の自邸である。内田の名前は当ブログでは初出かもしれない。スクラッチタイル貼りの1階と塀が、「内田ゴシック」と言われるデザインに思える。
内田邸は戦後、GHQに接収され、10年ほどソ連大使館として使われた(『INAX REPORT 172号 生き続ける建築6内田祥三』)。その間、内田家の人は和館に住んだという。洋館の右に写っている入母屋屋根の家がそれだろうか。

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