ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




左:石武商店。墨田区東向島1-23。2004(平成16)年1月24日
右:洋食の喜多美。2013(平成25)3月17日

鳩の街商店街の銅板貼り看板建築の店舗。「洋傘製造卸」の石武商店は高級な洋傘を手作りしているのだろうか。喜多美はネット検索ではそれらしいのはヒットせず、営業していないようだ。



左:ピンク壁の家。東向島1-23。2009(平成21)年3月29日
右:二本線の家。東向島1-23。2009(平成21)年3月29日

カフェーだった時の造りが残っている家。カエこぐまや石武商店の裏手にある。
鳩の街の赤線だったところは商店街の東側の裏にあった。カフェーの建物には独特な特徴があって、その造りが残っていればそれと判る。戦災に遭わなかった鳩の街では民家や商店、町工場だった家や長屋を改装してカフェーにしたものが多かったと思われる。100軒ほどのカフェーがあったというから、赤線だった地域で残っている古い建物は、カフェーだった確率が高いのだが、今、すぐにそれと判るのは十数軒で、よく観察すれば20軒くらいはあるのかもしれない。廃業してから50年以上も経つから、けっこう残っていると言える。ただ、最近になって取り壊される家が何軒か出てきて、見て回るのなら今のうちである。
左写真の家は二階が見えていて、和風の家を改装したのだろうと判る。たいていは右写真の家のように、二階ベランダの前に囲いを壁のようにめぐらす場合が多く、元の家の造りが見えているのは珍しい。カフェーは一階がホール、帳場、トイレなどで、二階に目的の部屋がある。路地の向かいも同様の家だから、ベランダの囲いは目隠しという実用的な目的があったのだと思う。ピンク壁の家はその造作を取り払ったのかもしれない。

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