ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





強羅花壇
神奈川県足柄下郡箱根町強羅
1991(平成3)年12月22日

現在は強羅花壇という高級旅館の懐石料理のレストランとして使われている洋館。「懐石料理花壇」に「旧閑院宮邸について」という藤森照信東京大学教授の簡単な解説が載っている。設計は陸軍技師の柳井平八、施工は松村組、1930(昭和5)年6月20日の完成である。
柳井平八(1888-1945)は 「歴史が眠る多磨霊園>柳井平八」によると、東京高等工業学校(現・東京工業大学)を1910(明治43)年に卒業して陸軍建築部に就職、陸軍関係の建築技師として勤務した。また、宮家、靖国神社の建築物や軍関係の私邸などを建築した。
洋館の建主である閑院宮載仁(かんいんのみやことひと)親王は陸軍の軍人で、昭和6年から15年にかけて参謀総長を務めた人。宮様の軍人はお飾りであることが多いようだがこの人がどうだったかは知らない。日露戦争では騎兵第2旅団長で、けっこう活躍したようであるが、黒溝台会戦の前に総司令部付に移動している。危険な部署から引き上げたのだろうか。ちなみに、騎兵第1旅団長が秋山好古である。

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