ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




せきね生花店。千葉県松戸市小山。2006(平成18)年7月29日

前の通りは、江戸川に架かる葛飾橋(旧葛飾橋)から松戸市街へ向かう通りで、『昭和の松戸誌』(渡邉幸三郎著、崙書房出版、平成17年)では「葛飾橋通り」としている。最初に水戸街道の橋が出来たのは江戸期からの渡船場があったところで、1911(明治44)年11月だから、ずいぶんとのんびりした話だ。木橋で橋げたも多かったから船の航行が大変で、関東大震災で痛んだこともあって、少し下流の現葛飾橋のところに鉄橋で架け替えられたのが1927(昭和2)年7月である。葛飾橋通りはそのとき、水戸街道に接続するために新たに通されたものだ。
写真の家は、『昭和の松戸誌』の「昭和12年の家並み図」を見ると、「小川部品屋」と「魚石の跡地」に当たると思われる。「小川部品屋は自動車部品取扱い店。隣の魚石が対面に移った後、跡地に店を拡張。今は胡録台に移転健在」と解説されている。



文七森田商店。松戸市小山。1989(平成1)年4月2日

葛飾橋通りが昭和初期に開通してすぐに建てられた店舗である。『昭和の松戸誌』によると、「文七森田商店は江戸期の船頭文七で、この通りの開通に伴い、和田と魚石(同じ並び)と三軒がはしりで開店した。現在金物屋で健在」。「和田」とは、写真右へ行った角町交差点に近いところに今もある和田酒店のこと。
写真は20年以上も前のものだが、今も景観はそのままである。

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