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大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

宇宙戦艦三笠・46[小惑星ピレウス・3]

2019-10-30 06:13:25 | 小説6
宇宙戦艦三笠・46
[小惑星ピレウス・3] 



 その人は、ゆっくりと近づいてきた。

 近づくにつれて知っている人だと分かってきた。だが、分かるのは知っているということだけで、どこの誰かは分からない。
 まるで、夢の中で出会った人のように、その人に関する記憶はおぼろの中であった。

「みなさん、お元気だったすか」

 その訛言葉で思い出した。暗黒星雲のレイマ姫だ!。
「レイマ姫、どうして……」
 クルーの誰もが混乱した。ナンノ・ヨーダから姫の事を託され、アクアリンドに着くまでは姫の記憶は有った。そして、あの忘却の星アクアリンドに着いた時には、姫の存在はきれいに忘れてしまっていた。それが今、その姿を、訛った声を聞いて忘れた夢を思い出したようにレイマ姫のあれこれが思い出された。
「おもさげねえす。アクアリンドのあと三笠にとって致命的な戦闘になることが予見されちまっで、みんなの記憶からあだしを消したのす」

 修一たちには分からないことだらけだった。予見したのなら、なぜ言ってくれなかったのか、なぜ、みんなの記憶を消して消えてしまったのか。そして20年の冬眠状態の間、どこで何をしていたのか。どうして歳をとっていないのか……?
「分かってもらえっか分かんねだども、聞いてもらえねえべか?」
 みんなは、黙ってうなづいた。
「あだしは、ほんどはピレウスの星のソウルなんだす。クレアさんのアナライズでも分かんねほど人間そっくりだども、あだしには実態はねえのす。三笠のみかさんや、テキサスのジェーンをバージョンアップしだもんだと思ってもらえば、分かっかな?」
「言葉悪いけど、レイマ姫は、三笠が必死の戦いをやることを予見して逃げたんじゃないの?」
 トシが、不服そうに言った。
「んだな。三笠のみんなからは、そう思われでも仕方なかんすべ……」

 レイマ姫は大きなため息をついて、空を見上げた。

「助けすぎないため……?」
 樟葉が探るように言った。
「んだす。あだし危うくなっちまうど、後先考えねぐなっで、けっきょくみんなをダメにしてしまうがら……でも、おもさげねす。大変な思いをさせちまっで……」

 その時、ジャングルから陽気なオーラをまき散らしながら現れた者がいた。

「まどろっこしい話は止しにして、あたしの船においでよ。三笠の諸君!」

「ああ!?」
 三笠のクルーは驚嘆の声をあげた。

 テンガロンハットをクイっと上げた顔は、戦艦テキサスのジェーンだった……!
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