アルルカンの特技は、心の先を読むことである。
人の心も、アンドロイドの行動予測も読めた。
そして……自分の心さえ。
そして……自分の心さえ。
だから、街角の占い師から、十年の歳月をかけて、地球の銀河連邦大使の地位まで上り詰めた。
そのことは問題ではない。
問題は、アルルカンの欲である。
地球や銀河宇宙のために使おうというのであれば、多少のことは許される。宇宙に完全な善などは存在しない。みな自己保全と、自分だけの成長が……煎じ詰めれば存在目的である。しかし、たいていの者は自己保全と成長が目的であるとしても、表面は銀河宇宙の安定と平和を願っている。いわば擬態である「善」の顔で付き合っているのが銀河連邦である。
その中で、アルルカンは違った。アルルカンは銀河連邦の覇権を握ろうとしていた。大使というのは、そのための最後の擬態であった。
「感じる……アルルカンの心を」
「アルルカンの船には、まだ100パーセクもあるねんで。それで読めるか?」
クルーのみんなも同じ気持ちだった。
「わたしの、ほとんど唯一の特技です。読むことと隠すこと。ただアルルカンのように先は読めません。今が見えるだけ」
「で、あいつの今の心は……?」
クルーのみんなも同じ気持ちだった。
「わたしの、ほとんど唯一の特技です。読むことと隠すこと。ただアルルカンのように先は読めません。今が見えるだけ」
「で、あいつの今の心は……?」
ファルコン・Zのクルーは、マリア王女……マリア近衛中尉に注目した。
「危険です……ベータ星の水銀還元プラントは設計が盗まれています。設計は、すでに地球に送られ作られ初めています」
「地球の水銀を金に還元するんやな」
「しかし船長。水銀は還元の過程で1/100になります。地球中の水銀を金に還元しても、ロックフェラー級の金持ちになれる程度です」
「……投機に回したら、一時的やけど、地球の経済は大混乱やろな」
「それが、アルルカンの狙いです。その隙に地球の指導者になり、その先は……銀河連邦の支配です」
「銀河連邦の支配!?」
「地球の水銀を金に還元するんやな」
「しかし船長。水銀は還元の過程で1/100になります。地球中の水銀を金に還元しても、ロックフェラー級の金持ちになれる程度です」
「……投機に回したら、一時的やけど、地球の経済は大混乱やろな」
「それが、アルルカンの狙いです。その隙に地球の指導者になり、その先は……銀河連邦の支配です」
「銀河連邦の支配!?」
一同が驚いた。
「連邦を支配できれば、わがベータ星の水銀もアルルカンの手に金として、盗られてしまいます」
「銀河連邦と言っても、その範囲は半径100光年の球状に過ぎないわ。たかが銀河の10%。その先は未知の宇宙同然。たとえハンパでも連合していなければ、これからやってくる危機には耐えられないわ」
ミナホが、啓示を受けたように言った。
「ミナホちゃんも、なにか担わされているようね。その洞察力には、すごいオーラがあるわ」
「それより、どないすんねん、アルルカンは!?」
「破壊しましょう、船ごと」
「でも、あの船のバリアーは、コスモ砲でも打ち抜けません」
「銀河連邦と言っても、その範囲は半径100光年の球状に過ぎないわ。たかが銀河の10%。その先は未知の宇宙同然。たとえハンパでも連合していなければ、これからやってくる危機には耐えられないわ」
ミナホが、啓示を受けたように言った。
「ミナホちゃんも、なにか担わされているようね。その洞察力には、すごいオーラがあるわ」
「それより、どないすんねん、アルルカンは!?」
「破壊しましょう、船ごと」
「でも、あの船のバリアーは、コスモ砲でも打ち抜けません」
コスモスが冷静に言った。
「わたしのソウルを同期させます」
「下手したら、死ぬで!」
「皇位の継承は妹を指名してあります」
「マリア……」
船長以外のクルーは言葉も無かった。
「下手したら、死ぬで!」
「皇位の継承は妹を指名してあります」
「マリア……」
船長以外のクルーは言葉も無かった。
「わたしも、同期します」
「ミナホ……」
「バリアーは破壊できても、シールドがあります。瞬時に破壊しないと反撃……アルルカン自身が、この船に乗り込んできます」
「ミナホ、お前には重要な任務が……よう分からんけどある!」
「わたしにも、うっすらと分かってきてます。ミナコちゃん、力を貸して」
「え、あたしが!?」
「バリアーは破壊できても、シールドがあります。瞬時に破壊しないと反撃……アルルカン自身が、この船に乗り込んできます」
「ミナホ、お前には重要な任務が……よう分からんけどある!」
「わたしにも、うっすらと分かってきてます。ミナコちゃん、力を貸して」
「え、あたしが!?」
ミナコが、素っ頓狂な声をあげた。
マリアと、ミナホ、ミナコが手を繋ぎ、ファルコン・Zをバージョンアップした。
「反重力砲コンタクト、コスモ砲に転換……完了!」
「照準完了まで、5秒、4,3,2,1,ファイア!」
「反重力砲コンタクト、コスモ砲に転換……完了!」
「照準完了まで、5秒、4,3,2,1,ファイア!」
アルルカンが、コスモ砲の発射に気づいた瞬間に、着弾。バリアーもシールドも船ごと一瞬に吹き飛ばされ、蒸発してしまった。
「やったー!」
「しまった!」
ポチの歓声と、マリアの傷みの声が同時にした。
「しまった!」
ポチの歓声と、マリアの傷みの声が同時にした。
「やってくれたわね……」
コクピットに、アルルカンが実体化していた……。