大橋むつおのブログ

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小悪魔タキさんの押しつけ読書感想『アルゴ』読了

2012-11-20 07:30:45 | 読書感想
タキさんの押しつけ読書感想
『アルゴ』読了


これは、我が悪友の映画評論家滝川浩一が、身内に流している読書感想なのですが、もったいないので本人の了解を得て転載したものです。



 典型的な直訳悪文でんなぁ。読むのに時間が掛かってしゃあない。
 話は、1979年に起こった テヘランのアメリカ大使館占拠事件で、当時 運良く脱出してカナダ大使公邸に匿われていた6人を 架空のSF映画をでっち上げ、脱出させるってぇお話し。CIAの公式作戦だったが、1986年まで機密とされ、その後も 各方面への影響に鑑み、当事者の著述は無かったようだ。

 映画台本はインタビューをもとに起こされたようで、本作は映画公開に合わせて書かれたようです。だから、この本が原作って訳じゃない。映画と本作を単純比較すると、脚本のほうが断然面白い。ただ、その筋(ってどの筋?)に聞いた所によると、この本に書かれてはいないが、映画の中のエピソードにはホントに有った出来事が描かれているとか……それがどれなのかまでは解らんのですが……まぁ、実際に有った情報戦だけに どこまで行っても「これが真実だ」ってのは解らんのでしょうねぇ。
 私の聞いている話では、みんなが空港に向かっているその最中に カーター大統領が諫言されて作戦中止となり、あわやの所でチケットがキャンセルされそうに成ったのがそれだってんですが、ちょっと確認のしようがないので“?”であります。「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(アフガンゲリラに武器を供給するように働いた上院議員の話)なんかと同じ混乱があります。「チャーリー~」の訳文はもっと酷かったなぁ。
 いずれも映画公開に間に合わせる為、大特急で翻訳したかららしいのですが、「てにをは」の間違いなんてな可愛いもんで、内容に齟齬があって、有り得ない展開に成ってたりしとりました。本作にはそこまでのミスは無いようですが「てにをは」の混乱はそこら中に散見できます。だから 意味が逆転していたりして、途中何度となく読み返しましたわい。これが原文のミスなのか翻訳のミスなのかは判断しかねますが、本作は少なくともプロの物書きが共同執筆者として名を連ねていますから、やっぱり翻訳ミスなんでしょうねぇ。

 昔のミステリー翻訳には専門用語が解らず、ムチャクチャええかげんな訳文が有ったもんですが、さすがに最近ではさほど酷い作品は有りません。突き詰めれば、出版社が間に合わせる事だけを考えた結果って事に成るんでしょう。お粗末。


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 この物語は、顧問の退職により、大所帯の大規模伝統演劇部が、小規模演劇部として再生していくまでの半年を、ライトノベルの形式で書いたものです。演劇部のマネジメントの基本はなにかと言うことを中心に、書いてあります。姉妹作の『はるか 真田山学院高校演劇部物語』と合わせて読んでいただければ、高校演劇の基礎連など技術的な問題から、マネジメントの様々な状況における在り方がわかります。むろん学園青春のラノベとして、演劇部に関心のない方でもおもしろく読めるようになっています。
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