今週23日に新国立劇場の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を観に行くので、ちょっと焦りながら今日は予習をしました。
恥ずかしながら、大変長いオペラなので、通して聴いたことがありませんでした。
こんなときは映像の方が分かりやすいと思って、以前BSでやっていたものをDVDに録画していたので、それを観ることにしました。
結果的にとても面白かったし、勉強になりました。
(このBSで放送したものはDVDとして市販されているようです。何と1万円以上するようですが・・)
<曲目>
ワーグナー:楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
<演奏、歌手>
ザックス:ジェイムズ・モリス
ヴァルター:ベン・ヘプナー
ベックメッサー:トマス・アレン
ダヴィッド:マシュー・ポレンザーニ
エヴァ:カリタ・マッティラ
マグダレーネ:ジル・グローヴ
ポーグナー:ルネ・パーペ
ジェイムズ・レヴァイン指揮
メトロポリタン歌劇場管弦楽団
メトロポリタン歌劇場合唱団
演出:オットー・シェンク
(2001年12月8日、メトロポリタン歌劇場)
「トリスタンとイゾルデ」の対極のようなオペラです。
とにかく全体に明るい。和声も分かりやすいし、観ていてドキドキするような愛憎劇もない。当然、トリスタンのような麻薬的な毒(=ワーグナーの毒)はありません。
ただ、やっぱり長いですね。第3幕だけで2時間をゆうに超えるんですから。
でも、冒頭書いたように、時間を忘れるくらい面白かった。
この映像で、最も重要な役柄であるザックスを演じているのはモリスです。
私は素晴らしいザックスだと思いました。私がとくに感動したのは、第3幕のはじめのほうで、子供の頃から可愛がってきたエヴァのことを異性としても気にしながら、彼女の幸せのために迷いを吹っ切るところ。彼はエヴァと恋仲の若きヴァルターに向かって言います。
「人生は春ばかりじゃない。人生に苦労し秋も冬も来る。そんなときにも美しい心で歌が歌える人のことをマイスターと呼ぶんだ」
この部分のモリスの歌は、心に深くしみわたります。真の伝統とはどのようなものかを、モリスはザックスの役を借りて語っているように感じました。
このオペラの唯一の敵役であるベックメッサーはトマス・アレンが演じていますが、この人圧倒的な芸達者です。彼が演じると、ベックメッサーは決して憎まれ役というようより、どこにでもいるような普通の愛すべき人物像をイメージしてしまいます。第1幕から第3幕の歌合戦のところまで、歌の上手さもさることながら、表情が実に多彩で見事なベックメッサーを演じています。
他にも、マッティラのエヴァは初々しいし、パーぺのポーグナーはその声の素晴らしさに圧倒されます。ヘプナーのヴァルターはちょっと太めだけど、声は見事。
シェンクの演出はオーソドックスでとても分かりやすいものでした。
予習するには、最高の映像だったかもしれません。
これで、23日が安心して迎えられそうです。
ただ、いつも妻に言われるのですが、あまりオペラやコンサートの前にいい演奏を観たり聴いたりしてしまうとがっかりするかもしれないから、ほどほどにしておいたほうがいいんじゃないのと。
確かにその通りなんですが、せっかく行くからにはこちらの準備は十分したうえで聴きたいんです。だって、生の演奏は一期一会。その緊張感を味わいたくて行くんですから。
恥ずかしながら、大変長いオペラなので、通して聴いたことがありませんでした。
こんなときは映像の方が分かりやすいと思って、以前BSでやっていたものをDVDに録画していたので、それを観ることにしました。
結果的にとても面白かったし、勉強になりました。
(このBSで放送したものはDVDとして市販されているようです。何と1万円以上するようですが・・)
<曲目>
ワーグナー:楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
<演奏、歌手>
ザックス:ジェイムズ・モリス
ヴァルター:ベン・ヘプナー
ベックメッサー:トマス・アレン
ダヴィッド:マシュー・ポレンザーニ
エヴァ:カリタ・マッティラ
マグダレーネ:ジル・グローヴ
ポーグナー:ルネ・パーペ
ジェイムズ・レヴァイン指揮
メトロポリタン歌劇場管弦楽団
メトロポリタン歌劇場合唱団
演出:オットー・シェンク
(2001年12月8日、メトロポリタン歌劇場)
「トリスタンとイゾルデ」の対極のようなオペラです。
とにかく全体に明るい。和声も分かりやすいし、観ていてドキドキするような愛憎劇もない。当然、トリスタンのような麻薬的な毒(=ワーグナーの毒)はありません。
ただ、やっぱり長いですね。第3幕だけで2時間をゆうに超えるんですから。
でも、冒頭書いたように、時間を忘れるくらい面白かった。
この映像で、最も重要な役柄であるザックスを演じているのはモリスです。
私は素晴らしいザックスだと思いました。私がとくに感動したのは、第3幕のはじめのほうで、子供の頃から可愛がってきたエヴァのことを異性としても気にしながら、彼女の幸せのために迷いを吹っ切るところ。彼はエヴァと恋仲の若きヴァルターに向かって言います。
「人生は春ばかりじゃない。人生に苦労し秋も冬も来る。そんなときにも美しい心で歌が歌える人のことをマイスターと呼ぶんだ」
この部分のモリスの歌は、心に深くしみわたります。真の伝統とはどのようなものかを、モリスはザックスの役を借りて語っているように感じました。
このオペラの唯一の敵役であるベックメッサーはトマス・アレンが演じていますが、この人圧倒的な芸達者です。彼が演じると、ベックメッサーは決して憎まれ役というようより、どこにでもいるような普通の愛すべき人物像をイメージしてしまいます。第1幕から第3幕の歌合戦のところまで、歌の上手さもさることながら、表情が実に多彩で見事なベックメッサーを演じています。
他にも、マッティラのエヴァは初々しいし、パーぺのポーグナーはその声の素晴らしさに圧倒されます。ヘプナーのヴァルターはちょっと太めだけど、声は見事。
シェンクの演出はオーソドックスでとても分かりやすいものでした。
予習するには、最高の映像だったかもしれません。
これで、23日が安心して迎えられそうです。
ただ、いつも妻に言われるのですが、あまりオペラやコンサートの前にいい演奏を観たり聴いたりしてしまうとがっかりするかもしれないから、ほどほどにしておいたほうがいいんじゃないのと。
確かにその通りなんですが、せっかく行くからにはこちらの準備は十分したうえで聴きたいんです。だって、生の演奏は一期一会。その緊張感を味わいたくて行くんですから。
e+エンタメブログで書いております、千葉と申します。
こちらのブログもとても面白く拝見しました。
千葉も公演に行く前には予習してしまうほうです。この前はR.シュトラウスブームでした。音符が多すぎましたが・・・
一度見に行く予定ですが、
流石に『マイスタージンガー』は今回時間がなくて
予習できていません。良い公演だと良いですね!
ご訪問いただきありがとうございます。
一方的にTBしてしまい、大変失礼致しました。
e+エンタメブログ、読ませていただきますね。
いよいよ明日、マイスタージンガーに行ってきます。
期待と不安が正直半々ですが、今からとても楽しみです。
今後ともよろしくお願い致します。
申し遅れましたが、拙ブログ(多摩ユースバックステージ)にTBいただきまして有難うございます。HPにくっつけたブログでまだあまり使いこなせていないこともありまして、TBのシステムもまだ良く理解していないので、失礼していることと思いますが、未熟さゆえどうかご容赦くださいませませ。ながながとお邪魔してまたまた失礼いたしました。
では また明日以降 貴ブログへのご訪問を楽しみにさせていただきたく存じます。
おはようございます。
ご丁寧にコメントいただきありがとうございました。
いよいよ今日です。楽しみだなあ。
今朝からカラヤンの全曲CDを流しながら、いろいろ準備をしています。
また、感想を書きますね。
今後とも、よろしくお願い致します。