3月の定期健康診断で血圧が引っかかってしまい、今日は朝から再検査のため主治医が勤務する大学病院へ。
主治医のジャッジは明快で、血圧はあくまでも結果なので、動脈の状態等を見極めたうえで総合的に勘案して処方するとのこと。そのための検査です。
土曜日ということもあり、大勢の患者さんで病院中が溢れかえっていました。
動脈の状態は、年齢的な平均値より少し硬くなっているそうです。あと1日検査に行かないといけないので、それを考えると憂鬱だなぁ。
昨年は不整脈の疑いで「24時間心電図」をつけさせられましたが、今年は最後に「24時間血圧計」をセットされてしまいました。こんなお土産は要らないんだけどなあ・・・。
まあ、自分のからだを大切にしなさいという神様の配慮だと思うことにしました。
さて、CDの感想をしばらく書いていなかったのですが、今日は小菅優さんの新譜であるモーツァルトのピアノ協奏曲集をご紹介します。
<曲目>
モーツァルト
■ピアノ協奏曲 第9番 「ジュノム」 K.271
■ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
<演奏>
■小菅優(ピアノ)
■ローレンス・フォスター(指揮)
■北ドイツ放送交響楽団
<録音>
■2005年7月 ハンブルク
「熱狂の日」で聴いたモーツァルトのソナタは、期待が大きかっただけに少し残念でしたが、果たしてこのディスクではどうでしょうか。
結果は◎。
私が読響マチネーで聴いたあの躍動感・鮮度の高さが、このアルバムには十分すぎるくらいあります。
まず、ジュノム。
何とも瑞々しい演奏。
「私にとってオーケストラとの共演で一番大事なことは、オーケストラとの対話です。」という小菅さん自身のコメントどおりの演奏がここで展開されています。
第1楽章冒頭、オケより1小節遅れて早速ピアノが入ってきますが、この入り方が何とも小気味いい。ピアノとオケの気持ちが憎らしいくらいぴったりあっています。このディスクの魅力は、フォスター率いるオケの素晴らしさのおかげかもしれません。
第2主題に入るときの呼吸の見事さ、テーマを支えるバスのアクセントの鮮やかさ、ほんとにオケの表情が絶妙です。この素晴らしいバックがあったからこそ、小菅さんもこれだけ自由に伸び伸びと振舞えたのでしょう。レコーディングの様子が目に浮かぶようです。
実演で観たコンチェルトでも、彼女はほんの少しピアノに休みがあると、オケのほうにずっと首を伸ばして、まさに一緒に歌いだしそうなくらいの感じでした。
展開部で、めまぐるしく調性が変わるところでも、ピアノとオケの呼吸はまさにぴったり。
室内楽をやるときのような呼吸感です。
ラストの分散和音で駆け下りてくるピアノとそれに応えるオケの的確な反応も、もう見事のひとこと!
第2楽章は、一転して「悲しみ」をたたえた音楽。そして、このディスクでは「悲しみ」は何通りも表情を変えて表現されています。深刻過ぎず静かに悲しみを表現するから、余計に聴き手の胸に迫ってくるのでしょう。
また、この演奏を聴いて改めて思ったのは、ピアノの旋律がまるでオペラの一節のように感じたこと。ピアノ協奏曲なんだけど、オペラかコンサートアリアを聴いたような錯覚を覚えました。
以前から、モーツァルトのピアノ協奏曲を聴いているとどういうわけかオペラの一節をよく思い浮べたものですが、なんだか不思議な気がします。
第3楽章は、素晴らしいテンポで始まります。
「天馬空を行く」そんな感じといえばお分かりいただけるでしょうか。1月27日のモーツァルトのお誕生日に、小菅さんがテレビでこの曲を演奏してくれたときとまったく同じ鮮烈さでした。
そして、中間部のメヌエットは、「全力疾走して疲れた選手が、偶然見つけたオアシス」のような雰囲気で、聴き手をほっとさせる魅力がありました。
この曲は、きっと小菅さんに合ったコンチェルトなんでしょうね。
21番のハ長調コンチェルトも、ジュノムに負けず劣らずの好演。
この曲は2年前に実演で聴いた曲ですが、そのときの演奏と比べても一層完成度が増しているように感じました。
躍動感はそのままに、余裕というか安定感がでてきたからです。そのために愉悦感がよりストレートに伝わってきます。フィナーレでも、珠をころがすような音色で一気に聴かせてくれました。
また、このコンチェルトでも、オケがしなやかで実に味わい深い演奏をしています。
第1楽章でピアノにからむオーボエの表情などはまさに絶品。
コンチェルトは、やっぱりこうでなくちゃ・・・。
それから、カデンツァについてひとこと。
この曲では、フィナーレの第2アインガングを除いて小菅さん自作のカデンツァ(アインガング)を使用していましたが、小菅さんのスタイルによくフィットした美しく魅力的なものでした。
以上ざっと感想を書きましたが、これだけのモーツァルトを聴かせてくれれば私も一安心。
今年はザルツブルクでも演奏するようですが、是非頑張って欲しいものです。
主治医のジャッジは明快で、血圧はあくまでも結果なので、動脈の状態等を見極めたうえで総合的に勘案して処方するとのこと。そのための検査です。
土曜日ということもあり、大勢の患者さんで病院中が溢れかえっていました。
動脈の状態は、年齢的な平均値より少し硬くなっているそうです。あと1日検査に行かないといけないので、それを考えると憂鬱だなぁ。
昨年は不整脈の疑いで「24時間心電図」をつけさせられましたが、今年は最後に「24時間血圧計」をセットされてしまいました。こんなお土産は要らないんだけどなあ・・・。
まあ、自分のからだを大切にしなさいという神様の配慮だと思うことにしました。
さて、CDの感想をしばらく書いていなかったのですが、今日は小菅優さんの新譜であるモーツァルトのピアノ協奏曲集をご紹介します。
<曲目>
モーツァルト
■ピアノ協奏曲 第9番 「ジュノム」 K.271
■ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
<演奏>
■小菅優(ピアノ)
■ローレンス・フォスター(指揮)
■北ドイツ放送交響楽団
<録音>
■2005年7月 ハンブルク
「熱狂の日」で聴いたモーツァルトのソナタは、期待が大きかっただけに少し残念でしたが、果たしてこのディスクではどうでしょうか。
結果は◎。
私が読響マチネーで聴いたあの躍動感・鮮度の高さが、このアルバムには十分すぎるくらいあります。
まず、ジュノム。
何とも瑞々しい演奏。
「私にとってオーケストラとの共演で一番大事なことは、オーケストラとの対話です。」という小菅さん自身のコメントどおりの演奏がここで展開されています。
第1楽章冒頭、オケより1小節遅れて早速ピアノが入ってきますが、この入り方が何とも小気味いい。ピアノとオケの気持ちが憎らしいくらいぴったりあっています。このディスクの魅力は、フォスター率いるオケの素晴らしさのおかげかもしれません。
第2主題に入るときの呼吸の見事さ、テーマを支えるバスのアクセントの鮮やかさ、ほんとにオケの表情が絶妙です。この素晴らしいバックがあったからこそ、小菅さんもこれだけ自由に伸び伸びと振舞えたのでしょう。レコーディングの様子が目に浮かぶようです。
実演で観たコンチェルトでも、彼女はほんの少しピアノに休みがあると、オケのほうにずっと首を伸ばして、まさに一緒に歌いだしそうなくらいの感じでした。
展開部で、めまぐるしく調性が変わるところでも、ピアノとオケの呼吸はまさにぴったり。
室内楽をやるときのような呼吸感です。
ラストの分散和音で駆け下りてくるピアノとそれに応えるオケの的確な反応も、もう見事のひとこと!
第2楽章は、一転して「悲しみ」をたたえた音楽。そして、このディスクでは「悲しみ」は何通りも表情を変えて表現されています。深刻過ぎず静かに悲しみを表現するから、余計に聴き手の胸に迫ってくるのでしょう。
また、この演奏を聴いて改めて思ったのは、ピアノの旋律がまるでオペラの一節のように感じたこと。ピアノ協奏曲なんだけど、オペラかコンサートアリアを聴いたような錯覚を覚えました。
以前から、モーツァルトのピアノ協奏曲を聴いているとどういうわけかオペラの一節をよく思い浮べたものですが、なんだか不思議な気がします。
第3楽章は、素晴らしいテンポで始まります。
「天馬空を行く」そんな感じといえばお分かりいただけるでしょうか。1月27日のモーツァルトのお誕生日に、小菅さんがテレビでこの曲を演奏してくれたときとまったく同じ鮮烈さでした。
そして、中間部のメヌエットは、「全力疾走して疲れた選手が、偶然見つけたオアシス」のような雰囲気で、聴き手をほっとさせる魅力がありました。
この曲は、きっと小菅さんに合ったコンチェルトなんでしょうね。
21番のハ長調コンチェルトも、ジュノムに負けず劣らずの好演。
この曲は2年前に実演で聴いた曲ですが、そのときの演奏と比べても一層完成度が増しているように感じました。
躍動感はそのままに、余裕というか安定感がでてきたからです。そのために愉悦感がよりストレートに伝わってきます。フィナーレでも、珠をころがすような音色で一気に聴かせてくれました。
また、このコンチェルトでも、オケがしなやかで実に味わい深い演奏をしています。
第1楽章でピアノにからむオーボエの表情などはまさに絶品。
コンチェルトは、やっぱりこうでなくちゃ・・・。
それから、カデンツァについてひとこと。
この曲では、フィナーレの第2アインガングを除いて小菅さん自作のカデンツァ(アインガング)を使用していましたが、小菅さんのスタイルによくフィットした美しく魅力的なものでした。
以上ざっと感想を書きましたが、これだけのモーツァルトを聴かせてくれれば私も一安心。
今年はザルツブルクでも演奏するようですが、是非頑張って欲しいものです。
いつもありがとうございます。
>10番以前のPコンの中では KiKi のお気に入りの1曲です
全く同感です。誤解を恐れずに言うと8番以前と別人の曲のように感じます。(8番も一応ニックネーム付の曲なんですが、違いは歴然ですよね)
小菅さんのピアノは、是非実演で聴いてみてください。
あの生命力溢れる表現は、なかなかマイクには入りきらないような気もします。テクニックも素晴らしいですよ。「熱狂の日」は会場の関係もあって、少し残念でしたが、私の大好きなピアニストです。
(K467)
>やや足取りが重いような気がします。
なるほど。確かにその印象もありますね。
実演で聴いた時はまったくそんな感じはしなかったのですが、少し慎重になっていたのかもしれませんね。
でも、第1楽章からフィナーレまで通してきくと、彼女の音楽が持つ「躍動感」が随処に感じられて、幸せな気分にさせてくれます。
このあたりが不思議です。
また、ジュノムは、さらに上を行く名演奏だと思います。calafさんが仰るとおり、彼女にぴったりあった曲かもしれません。
ラ・フォル・ジュルネ・・・で聴いて、少しだけ不安だったのですが、このディスクを聴いて応援団としては一安心でした。
ありがとうございました。