オーケストラの中でデニス・ブレインのホルンソロが聴けるアルバムです。
<曲目>
ワーグナー:ジークフリートの角笛
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
<演奏>
デニス・ブレイン(ホルン)
カンテッリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団
(TESTAMENT SBT1012 モノラル)
一昨日に続いて、デニスのホルンを聴きました。
前回は、室内楽でその妙技を聴かせてくれましたが、今日聴いたアルバムではオーケストラの中でのデニス・ブレインの素晴らしさが堪能できます。
冒頭のジークフリートの角笛では、珍しくデニスの無伴奏のソロが聴けます。
続くジークフリート牧歌は、文字通り牧歌的な伸びやかな演奏。
この曲にはクナッパーツブッシュらの素晴らしい名演もありますが、このデニスたちの演奏も愛妻コジマと長男ジークフリートに対するワーグナーの深い愛情が感じられる佳演です。
デニスのホルンって、作為や芝居っけがないというのでしょうか、一言で言ってしまうとすごく自然ですね。
ハイドンの協奏曲の評でも書きましたが、それでいながら気品が感じられるところがすごい。
なかなかこうはいかないものです。
デニスのことばかり書きましたが、カンテッリ指揮のオーケストラも素晴らしいできばえです。
そういえば、指揮者のカンテッリもデニスと非常に良く似たタイプだと思います。
残念なことに夭折の天才という点でも共通していますね。
カンテッリはよくトスカニーニと比べられますが、私から見るとまるで違う。
癇癪もちでメリハリが特徴のトスカニーニとは正反対の、「自然流の達人」だと思っています。
そのよさが出ているのが、次のブラームスです。
ブラームスの1番は先月の私のBlogでワルターとベームの素晴らしいアルバムのことを書きましたが、このカンテッリもまったくそん色ない名演です。
第一楽章からフィナーレまで、とにかく音楽の流れが自然です。
どこにも力んだところがなく、それでいて決して弛緩しないという離れ業を実現してくれています。
このカンテッリ盤を聴いてしまうと、ベームにしてもワルターにしても、また世評高いフルトベングラーでも、スタイルが全く異なるのでやむを得ないのですが、随分芝居っ気や力みがはいっているんだなあと感じます。
このブラームスの1番では何と言ってもフィナーレが素晴らしい。
ホルンの圧倒的な存在感には何度聴いても惚れ惚れしますし、弦楽で主題が始まる時のこれ以上ないくらいの自然な表情が印象的。よく聴いてみると微妙なデュナーミクが施されているのですが、小憎らしいくらい自然に決まっています。その後もちっとも力まないのに緊張感を持続しながらエンディングを迎えます。
決して手に汗を握るという演奏ではありませんが、これほど清々しい気分にさせてくれるブラームスも珍しいでしょう。
あえて、一つだけこのアルバムで残念だったことをあげると、多分録音のせいだと思うのですがオーボエの音が悪いこと。これではチャルメラの音みたいです。
でも、それは演奏全体の素晴らしさからみれば実に些細なこと。
いまさらながら、カンテッリ恐るべしです。
<曲目>
ワーグナー:ジークフリートの角笛
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
<演奏>
デニス・ブレイン(ホルン)
カンテッリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団
(TESTAMENT SBT1012 モノラル)
一昨日に続いて、デニスのホルンを聴きました。
前回は、室内楽でその妙技を聴かせてくれましたが、今日聴いたアルバムではオーケストラの中でのデニス・ブレインの素晴らしさが堪能できます。
冒頭のジークフリートの角笛では、珍しくデニスの無伴奏のソロが聴けます。
続くジークフリート牧歌は、文字通り牧歌的な伸びやかな演奏。
この曲にはクナッパーツブッシュらの素晴らしい名演もありますが、このデニスたちの演奏も愛妻コジマと長男ジークフリートに対するワーグナーの深い愛情が感じられる佳演です。
デニスのホルンって、作為や芝居っけがないというのでしょうか、一言で言ってしまうとすごく自然ですね。
ハイドンの協奏曲の評でも書きましたが、それでいながら気品が感じられるところがすごい。
なかなかこうはいかないものです。
デニスのことばかり書きましたが、カンテッリ指揮のオーケストラも素晴らしいできばえです。
そういえば、指揮者のカンテッリもデニスと非常に良く似たタイプだと思います。
残念なことに夭折の天才という点でも共通していますね。
カンテッリはよくトスカニーニと比べられますが、私から見るとまるで違う。
癇癪もちでメリハリが特徴のトスカニーニとは正反対の、「自然流の達人」だと思っています。
そのよさが出ているのが、次のブラームスです。
ブラームスの1番は先月の私のBlogでワルターとベームの素晴らしいアルバムのことを書きましたが、このカンテッリもまったくそん色ない名演です。
第一楽章からフィナーレまで、とにかく音楽の流れが自然です。
どこにも力んだところがなく、それでいて決して弛緩しないという離れ業を実現してくれています。
このカンテッリ盤を聴いてしまうと、ベームにしてもワルターにしても、また世評高いフルトベングラーでも、スタイルが全く異なるのでやむを得ないのですが、随分芝居っ気や力みがはいっているんだなあと感じます。
このブラームスの1番では何と言ってもフィナーレが素晴らしい。
ホルンの圧倒的な存在感には何度聴いても惚れ惚れしますし、弦楽で主題が始まる時のこれ以上ないくらいの自然な表情が印象的。よく聴いてみると微妙なデュナーミクが施されているのですが、小憎らしいくらい自然に決まっています。その後もちっとも力まないのに緊張感を持続しながらエンディングを迎えます。
決して手に汗を握るという演奏ではありませんが、これほど清々しい気分にさせてくれるブラームスも珍しいでしょう。
あえて、一つだけこのアルバムで残念だったことをあげると、多分録音のせいだと思うのですがオーボエの音が悪いこと。これではチャルメラの音みたいです。
でも、それは演奏全体の素晴らしさからみれば実に些細なこと。
いまさらながら、カンテッリ恐るべしです。
カンテッリもそうですが、ヌブー・ヴンダーリヒ・ケルテス・リパッティ等夭折の天才の演奏って、何故か心に残るものが多いですね。私も、rboarder30さんのblogをブックマークさせて頂きました。今後ともよろしくお願い致します。